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【経済】NYの視点:米10月JOLTでも労働市場の健全さ確認


米労働省が発表した10月JOLT求人件数は538.3万件と9月の553.4万件から減少した。過去最高を記録した7月から求人件数は減少傾向にあるものの、本年に入って3番目に高い水準。ペースは鈍化傾向ながら労働市場は回復軌道にあり、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げを遅らせる材料にはならないとの見方が大半。雇用統計、19の雇用関連指数で構成される労働市場情勢指数(LMCI)に続いて、労働市場の健全さを確認する結果となった。

イエレンFRB議長を初めとして全メンバーが雇用に関してはFRBの目標である完全雇用を達成、またはそれに近づいたと判断している。イエレン議長は先週の講演や議会証言において、「労働市場には依然たるみが見られるが規模は大きくなく、さらに減少していることを望んでいる」と述べた。イエレン議長が雇用のたるみ状況を確認するために注視しているダッシュボードでは9項目のうち4項目が危機前の水準に戻った。バーナンキ前米連邦準備制度理事会(FRB)議長が懸念していた長期失業率も依然40%以上だが、11月は41.6%へ、前年46.4%、10月42.0%から低下したことも好感材料となる。

項目のうち、イエレン議長が特に注目している退職率(Quits rate)は1.9%と、9月と同水準。依然、危機以前の 2.1%水準には達していない。退職率の上昇は労働者の市場への自信の表れとなるほか、賃金動向の手がかりになるとして、イエレン議長が特に注目している。

■イエレンFRB議長の雇用たるみダッシュボード

◎危機前に比べ状態が改善                 危機前の水準と比較
11月雇用者数(Nonfirm payrolls):21.1万人(10月29.8万人) 16.18万人(上回る)
11月失業率(Unemploynent rate):5.0%(10月5.1%) 5%(一致)
10月解雇率(Layoffs/discharges rate):1.2%(9月1.3%) 1.4%(下回る)
10月求人率(Job openings rate):3.6%(9月3.7%) 3%(上回る)

◎状態が危機前より依然悪い
10月退職率(Quits rate):1.9%(9月1.9%) 2.1%(下回る)
11月広義の失業率(U-6):9.9 %(10月9.8%) 8.8%(上回る)
10月採用率(Hires rate):3.6%(9月3.6%) 3.8%(下回る)
11月長期失業率:41.6%(10月42.0%、15週以上、前年46.4) 19.1%(上回る)
11月労働参加率:62.5%(10月62.4%) 66.1%(下回る)

《NO》

 提供:フィスコ

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