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【通貨】欧米為替見通し:原油安受けリスク回避の円買い、年内のドル125円回復は困難か


今日の海外市場では、原油安を受けドル・円は弱含みそうだ。原油価格とドル相場は本来、逆相関関係にあるが、指標となるウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)が6年超ぶりの安値まで下落したことから、リスク回避のドル売り・円買いが強まる見通し。原油安は当面続くとみられ、米利上げ決定によりドル125円回復という市場の思惑が狂う可能性がある。

石油輸出国機構(OPEC)が前週末の総会で減産を見送ったことで、供給過剰懸念が一段と強まり、WTIは8日の取引で一時37.50ドルまで下落。2009年3月以来、約6年9カ月ぶりの安値となった。加えて、今日発表された11月中国貿易収支が低調だったため、エネルギー消費国の経済減速による需給の悪化が嫌気されるほか、原油には買い材料が乏しく当面は売りが続くとみられていることから、海外市場では原油価格の一段安が警戒されそうだ。

市場には「原油安は深刻なレベル」(邦銀関係者)との見方が出ており、カナダドルやロシアルーブル、ブラジルレアルなど資源国通貨だけでなく、原油価格と逆相関関係のドルが対円で売られる展開を予想する。ドル・円については、米連邦準備制度理事会(FRB)が15-16日に開催する連邦公開市場委員会(FOMC)会合で利上げを決定するタイミングで、節目の125円を回復するとのシナリオが想定されている。しかし、利上げは織り込まれつつあり、2016年以降の利上げペースにポジティブな材料が出てこないとドル・円の大幅な上昇は見込めず、125円到達は困難となる可能性があろう。

【今日の欧米市場の予定】

・18:30 英・10月鉱工業生産(前月比予想:+0.1%、9月:-0.2%)
・18:30 英・10月製造業生産(前月比予想:-0.2%、9月:+0.8%)
・19:00 ユーロ圏・7-9月期GDP改定値(前年比予想:+1.6%、速報値:+1.6%)
・20:00 南ア・10月製造業生産(前月比予想:-0.5%、9月:+2.2%)
・24:00 米・10月JOLT求人件数(予想:554万件、9月:552.6万件)
・03:00 米財務省3年債入札(240億ドル)

 提供:フィスコ

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