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【市況】原油安が商品相場全体への波及を警戒させる/ランチタイムコメント


 日経平均は大幅に下落。203.17円安の19494.98円(出来高概算9億9000万株)で前場の取引を終えた。7日の米国市場では原油先物相場の大幅な下げが嫌気され、NYダウは100ドルを超える下落となっていた。一方で、寄り付き前に発表された7-9月期のGDP改定値は年率1.0%増と速報値の0.8%減から上方修正された。コンセンサスが0.2%増だったこともあり、小反落で始まった日経平均は、その後19764.21円とプラスに転じる局面もみられた。
 しかし、買いが先行したファナック<6954>が下げに転じるなど、次第に下げに転じる銘柄が増えている。日経平均は前場半ば辺りに下げに転じると、その後もじりじりと下げ幅を拡大させている。東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1400を超えており、全体の7割を占めている。規模別指数は大型、中型、小型株指数いずれも2ケタの下落。セクターでは水産農林、空運が小幅に上昇する一方で、鉱業の下落率は4%を超えているほか、石油石炭、鉄鋼、非鉄金属、機械、卸売などの弱さが目立つ。

 原油相場の下落影響は限定的とみられていたが、商品相場への波及等が警戒されており、素材関連等へ売りが波及しているようである。また、中国・上海市場が軟調に推移していることも、投資家心理を悪化させており、ポジション圧縮の動きに向かわせているようである。その他、週末に先物オプションSQを控えるなか、権利行使価格の19625円及び19500円を下回ってきており、ヘッジに伴う売りも意識されている。
 日経平均は再び25日線を下回ってきており、26週線を試す展開になりそうである。26週線で踏ん張りをみせられれば、押し目拾いの好機として意識されそうだが、これを割り込んでくるようだと、13週線が位置する19000円処が心理的に意識されやすいだろう。押し目買いも入れづらく、直近IPOや中小型株などの一角に絞られそうである。(村瀬智一)
《AK》

 提供:フィスコ

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