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【特集】<話題の焦点>=ガーデニング市場は成長期待、団塊世代のリタイアで需要急増

 あおぞら銀行は11月24日に、全国のシニア層(55~74歳の男女2072人)を対象に同行が実施した「シニアのリアル調査2015」の結果を発表した。そのなかで、“現在学んでいること、今後学びたいこと”の上位として、「パソコン」や「英会話」と並んで、「園芸・ガーデニング」がランクインした。

 ガーデニングが中長期的な成長期待産業として注目を集めている。シニア世代にとって、日ごろの運動不足の解消や、精神面での“癒し効果”を実現するものとして、野菜や花などの栽培や、庭木の手入れが注目を集めている。一方で、消費者の食の安全に対する認識が高まるなか、子供たちへの食育の取り組みも活発化しており、家庭菜園での自家製野菜の栽培が徐々に広がりをみせている。

 団塊世代全てが65歳を超えて、余暇を楽しむリタイア人口が急増しているのに加え、食の安全意識の高まりで、家庭菜園で無農薬などの野菜を自給自足したいと考えるファミリー層、さらにマンションなど集合住宅でもベランダ菜園を楽しむなど、幅広い層で家庭菜園が注目を集めており、ガーデニング未経験者の参入も急増している。

 個別銘柄では、カネコ種苗<1376>に注目。同社の16年5月期第1四半期(6~8月)の連結営業利益は、前年同期比43.5%増の4億4900万円と大幅増益を達成した。雪害の影響が残ることや8月上旬まで猛暑日が続いた後、8月中旬から日照不足になるなど、農業生産を不安定化する減少が続発しているとしながらも、種苗事業や施設材事業の業績が順調に推移したことで増収増益になった。

 サカタのタネ<1377>は10月9日、16年5月期の連結業績見通しについて、売上高を従来予想の583億円から586億円(前期比3.3%増)へ、営業利益を同55億円から60億円(同25.5%増)へ、純利益を同41億円から42億円(同9.9%増)へそれぞれ上方修正した。トルコギキョウやブロッコリーなどが好調に推移していることや、収益性の高い種子売り上げが想定以上に伸びていることが寄与している。

 コメリ<8218>は、農業・園芸関連資材の取り扱いで強みを発揮している。同社の場合、プロ農家向け商品の構成比率も高いため、TPP(環太平洋経済連携協定)による農業振興も追い風となりそうだ。16年3月期の連結業績予想は、売上高3280億円(前期比3.5%増)、営業利益175億円(同8.6%増)を見込んでいる。

出所:株式経済新聞(株式会社みんかぶ)

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