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【特集】ヘリオス テクノ Research Memo(5):高付加価値品であるMLS向け専用ランプの更新需要に期待


■事業部門別の動向

(4)検査装置事業

検査装置事業は日本技術センターが手掛けている。日本技術センターは従来から人材サービス事業と検査装置事業を営んできた(人材サービス事業の詳細は後述する)。ヘリオス テクノ ホールディング<6927>の検査装置事業は、現在では液晶カラーフィルター製造用露光装置用の光源ユニットだ。同社は露光装置メーカーに対して、光源ランプと筐体を一体化してユニットとして販売している。ユニットの売上高は、光源部分と筐体部分とに分けられるが、光源部分の売上高はランプ事業に立ち、筐体部分の売上高が検査装置事業に立つことになる。

2016年3月期は露光装置用光源ユニット(MLS)のうちの筐体・装置の売上高は960百万円と予想されている。期初から若干上方修正された。前述のように、同社の主たる向け先である中国においては、液晶製造ラインの投資が依然として活発な状況だ。2015年については大型案件の確定受注が数件あるほか、2017年までの分が商談の中という状況だ。

中期的に検査装置事業がさらに拡大するためには、製造装置事業とのシナジー追究が課題となろう。製造装置事業においてタッチパネル製造装置への取り組みを強化するのに合わせて検査装置事業においてはタッチパネルの外観検査装置に取り組んでいた。しかし、現状は中断しているもようであり、次の開発案件が待たれるところだ。

2016年3月期の売上高は1,490百万円(前期比6.1%減)と予想されている。MLSの減収予想を受けて、セグメント全体の売上高予想も前期比減収予想となっている。利益面では、予想は開示されていないが、中核製品であるMLSが減収予想であるため、減益になる可能性をみている。ただし売上高の水準自体は高く、営業黒字を確保できると考えている。

検査装置事業に対する重要な視点は足元の業績ではなく、中長期にわたって発生する高付加価値品であるMLS向け専用ランプの更新需要への期待だ。MLSの累積販売台数を積み上げることが将来の更新需要の大きさに直接影響してくる。MLSの販売がここ数年1,500百万円前後の水準を維持していることに加え、同装置への需要が今後も強い状況が続くとみられる。3~5年後に検査装置事業の真価が発揮されてくると弊社では考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《HN》

 提供:フィスコ

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