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【市況】全般軟調な中でも個人のセンチメントは悪化せず/ランチタイムコメント


 日経平均は大幅に下落。383.40円安の19556.50円(出来高概算10億3000万株)で前場の取引を終えている。注目されていた欧州中央銀行(ECB)理事会は、預金金利の0.10%引き下げと債券買い入れ措置の6カ月延長を発表。しかし、市場が期待したほどの規模ではなかったことが失望感につながり、欧州市場は全面安。これを受けた米国市場ではNYダウが一時300ドルを超える下落局面をみせていた。シカゴ日経225先物清算値は大阪比395円安の19545円と大きく下げており、東京市場も幅広い銘柄に売りが先行した。
 売り一巡後は同水準に位置する25日線を挟んでのもち合いとなり、前引けにかけてはやや下げ幅を広げている。東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1700を超えており、全体の9割を占めている。規模別指数は大型、中型、小型株指数ともに2ケタの下げ。セクターでは東証33業種全てが下げており、海運、その他金融、不動産、鉄鋼、金属製品、倉庫運輸、情報通信、その他製品、医薬品、精密機器などの弱さが目立つ。

 日経平均は25日線レベルでの攻防をみせている。同水準では押し目を狙った動きなども意識されやすいが、週末要因のほか、米国市場では雇用統計の発表を控えており、押し目も狙いづらいところであろう。とは言え、ほぼ全面安商状ながらも、日経平均の下落率1.92%、TOPIXの1.73%に対して、マザーズ指数は1.14%、東証2部指数は0.82%、ジャスダック平均は0.45%の下落となっており、相対的に中小型株の底堅さが意識される。全市場での値上がり率上位30社をみても、ほぼマザーズ、JASDAQ、東証2部の銘柄が占めている。インデックスに左右されにくい面もあろうが、中小型株を中心とした短期的な値幅取り狙いの物色が続きそうである。
 その他、日本郵政<6178>が連日で最高値を更新している。パソコン事業再生報道を受けて富士通<6702>が堅調である。値動きの良い銘柄等へ資金がシフトしやすく、特に郵政グループ3社が強含みの値動きを続けるようだと、全般軟調な中でも個人のセンチメントはそれ程悪化しないだろう。(村瀬智一)
《AK》

 提供:フィスコ

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