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【特集】デリカフーズ Research Memo(6):野菜の品質評価基準を決め、中身を評価し販売する取り組みを進める


■今後の見通し

(2)中期経営計画について

デリカフーズ<3392>では2012 年に発表した中期5ヶ年経営計画の最終目標となる2017 年3 月期の売上高35,000 百万円、経常利益1,050 百万円の達成に向けた取り組みを進めている。経営施策としては、国内エリア拡大と海外展開、新規事業及び新規マーケットの参入に注力し、成長を加速していく計画となっている。今後新設される東京昭島、名古屋のFSセンターの稼働時期により、計画が若干遅れる可能性もあるが、おおむね順調に進捗しているとみられる。

このうち、新規事業としては加熱野菜の本格量産を2016年以降、東京昭島FSセンターにて開始する。また、新規マーケットとしてはキット野菜や機能性表示による売場提案などにより、現在売上高の数%にとどまっている量販店やコンビニエンスストア向けの売上拡大を進めていく。

同社ではカット野菜だけでなく、加熱野菜やキット野菜など顧客ニーズに合わせた様々な形態で供給していくことで、更なる事業拡大を目指していく方針だ。加熱野菜は、あらかじめ野菜を加熱処理してから顧客に販売する商品で、顧客側は調理時間を短縮できるメリットがある。人手不足が慢性化している外食、中食業界において需要が高まっており、同社では3年後に売上高で3,000百万円程度を目指していく考えだ。

また、2015年4月から食品表示法が改正されたことで、単一成分で機能性を表示した野菜の販売が一部で始まっており、外食・流通業界での関心度も高まっている。同社では1成分だけでは野菜の本当の機能性は表せないこと、産地や栽培時期によっても差が生じる問題があることから、野菜の品質評価基準を決め、中身を評価して販売する取り組みを食品スーパーと共同で進めている。具体的には、抗酸化能や栄養成分、美味しさ等の野菜の「中身」について、同社が蓄積してきた2.5万検体の分析データを元に比較対象として消費者にわかりやすく表現し、販売を行っている。現在は試験販売から順次、表示販売を行う店舗を拡大している。こうした取り組みが最終消費者の支持を集めれば、同社の競争力強化にもつながるだけに、今後の動向が注目されよう。

なお、拠点戦略に関しては、首都圏での更なる拠点増設も視野に入ってきている。東京昭島のFSセンター開設に向けて、新規顧客の取り込みが順調に進んでいることに加えて、2020年の東京オリンピック開催に向けて、外食、中食産業向けに野菜需要の拡大が最も見込まれるためだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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