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【特集】北の達人 Research Memo(7):1年以内にリリース予定のある9商品の業績インパクトに注目


■成長戦略

北の達人コーポレーション<2930>は、具体的な中期経営計画を公表していないが、中長期的な成長イメージとして、売上高100億円、営業利益30億円(営業利益率30%)を目標としているようだ。特に営業利益30億円の早期達成を重視しており、必ずしも売上高拡大にはこだわっていない。したがって、これまで同様、ニッチトップを狙った商品を十分なテストマーケティングを行ったうえで毎期コンスタントにリリースするとともに、効果的な広告宣伝費の投入により着実に需要を積み上げることが同社の成長をけん引するものとみられる。また、化粧品などの分野では日本ブランドへの信頼や人気の高いアジアへの展開も、インバウンド需要も含めて同社の成長を後押しするものと考えられる。

同社成長の源泉は、圧倒的な商品力(品質及び機能)と効果的なマーケティング手法(顧客開拓力)の両輪によるものと分析しているが、特に商品力の高さによる安定した需要の積み上げが、同社の中長期的な成長を支えていくものとみている。現在の主力商品群の伸びに加えて、それらに並ぶ商品を5~6種類増やすことができれば、売上高100億円、営業利益30億円も視野に入ってくるものと考えられる。

なお、現在進行中であり、今後1年以内にリリース予定である商品は9種類あり、化粧品7種類及び健康食品2種類とのことである。今後の進捗状況や業績へのインパクトが注目される※1。また、4月1日から施行された機能性表示の規制緩和※2については、現在のところ、既存商品に対して申請準備中の段階であるが、上記の新商品の中から先に対象商品が出てくる可能性もあり、それが実現すればさらに追い風となるものと考えられる。
※1このうち2商品は今期中にリリースを予定している。
※2 2015年4月1日から施行された新しい制度で、今まで不可能だった健康食品の機能性表示が日本で解禁となった。これをきっかけにサプリメントなどの健康食品の市場が拡大するとの見方がされている。

加えて、台湾支店の開設によるアジア展開の本格化についても、同社の成長を後押しするものとみている。今期における業績寄与は限定的とみられるが、インバウンド需要の勢いをアジア展開へ拡散することによるポテンシャルの高さに期待ができることから、来期以降の海外売上高の伸びにも注目したい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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