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【特集】モバファク Research Memo(4):ニッチな位置ゲーム市場が活性化、飛躍的に成長する可能性


■事業環境と同社の強み、事業リスク

●事業環境
携帯電話市場におけるスマートフォンの急速な普及により、モバイルファクトリー<3912>の主力事業に関連したモバイルコンテンツ市場はフィーチャーフォン関連の市場が縮小し続けているものの、スマートフォン関連の市場が急拡大し、全体として高成長が続いている。一般社団法人モバイル・コンテンツ・フォーラムの調査によると、2014年(暦年)のモバイルコンテンツ市場規模は1兆4,566億円となり前年比35%増加。内訳を見ると、フィーチャーフォン関連市場が前年比37%減の1,540億円と減少に歯止めがかからないのに対して、スマートフォン関連市場は同56%増の1兆3,026億円と高い伸びを記録している。

モバイルゲーム(ゲーム・ソーシャルゲーム)について見ると、フィーチャーフォンとスマートフォンを合算したゲーム・ソーシャルゲーム等の2014年の市場規模は9,414億円(前年比43%増)となっている。内訳を見ると、フィーチャーフォン関連の市場規模は476億円(同51%減)へ減少したものの、スマートフォン関連の市場規模はスマートフォンの普及に伴い、短時間で気楽に遊べることが受けて、家庭用のTVゲームの市場シェアを奪いながら、8,938億円(同59.7%増)と急拡大が続いている。

こうした状況下で、同社が主力ゲームとしてリソースを集中している位置ゲームの歴史は古く、2000年に遡るものの、その市場規模は50億円程度(同社推定)に過ぎず、ニッチな市場にとどまっている。国内の主要プレーヤーは最大手のコロプラ、(株)マピオンと同社の3社で、他のSNSゲームに比べ競合は少ない。しかし、2015年3月に位置情報を利用した陣取りゲーム「Ingress」(イングレス)※1が日本語対応した後はジャンルとして注目されている。さらに、任天堂が2016年に「Pokemon GO」※2のサービスを開始することを発表しているほか、コロプラも新タイトルを開発中であることから、ここに来てその注目度は一段と高まる傾向にある。これらの動きにより、今後位置ゲーム市場は活性化、飛躍的な成長が期待される状況にある。
※1Google, Inc.から2015年8月に独立したNiantic, Inc.が開発・運営する。2013年6月にAndroid専用で正式運用が始まったが、2014年7月にはiOSにも対応している。
※22015年9月にNiantic, Inc.が開発・運営を行うと発表された。加えて、任天堂はサービス開始と同時にスマートフォンの画面を見続けなくとも「Pokemon GO」を遊ぶことのできる専用デバイスPokemon GO Plusを発売することになっている。

一方、フィーチャーフォンの着信メロディ市場は過去最高であった2004年の1,167億円から2014年には95億円(前年比30%減)まで減少しているのに対して、スマートフォン関連の音楽コンテンツ市場は692億円(同74%増)とゲーム関連市場と同様に成長が続く格好となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)

《RT》

 提供:フィスコ

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