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【特集】【中国の視点】ロシア機撃墜、反テロでのトルコ位置づけなどに関連か


トルコの戦闘機は24日、ロシアの攻撃機を撃墜した。トルコとロシアの関係が友好である上、反テロをめぐり、ロシアと欧米が歩み始めている時期にトルコが取った行動が様々な憶測を呼んでいる。

中国の専門家は、トルコの行動について、トルコ国内のクルド人問題や反テロにおけるトルコの位置づけがはっきりされていないことが関係しているとの見方を示した。

反テロ作戦で欧米などが地上部隊を派遣し始めたら、勢力が拡大しているトルコ国内のクルド人が利用される可能性が高いと分析された。イラクやシリアとの国境地帯は過激組織「イスラム国(IS)」に破壊されたことによってクルド人の活躍空間が広がっており、これがトルコ政府に脅威を与えている。ロシアによるシリア国内の空爆が始まったと同時にトルコとロシアの摩擦もやや強まっていると指摘された。

また、クルド問題のほか、反テロにおけるトルコの位置づけが明瞭でないことも関係しているとみられている。反テロ作戦では、欧州連合(EU)の中で甚大な被害を受けているフランスがEUを率いている。北大西洋条約機構(NATO)はやや無視されている存在。一方、NATOの加盟国であるトルコはイランやシリアとは隣国である上、シリア難民も大量にトルコ国内に流入しているため、シリア問題で発言権を持っているトルコが反テロ作戦で適切に位置づけされていないことが一因だとみられている。

また、反テロ作戦では、ロシアが欧米との対話不足が目立っている中、トルコを反テロの統一戦線に迎え入れなければ、今後はこうした摩擦が再び起こる恐れがあると警戒されている。
《ZN》

 提供:フィスコ

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