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【特集】サイオステクノロジー Research Memo(3):国際競争力の維持向上にはフィンテックへの投資が不可欠


■直近のトピックス

(2) PCIの子会社化について

PCIは1984年設立のソフトウェア開発会社で、国内で初めてALMシステムを開発し、現在は地方銀行のほか、ネットバンキング企業などを主力顧客としている。直近の業績は、2015年6月期で売上高1,127百万円、営業利益62百万円となっており、売上高はソフトウェアの開発・販売、保守・サポートサービスで占められている。今回の株式取得に当たっては、PCIの持ち株会社であるARSホールディングス(株)の株式を100%取得することによって子会社化しており、取得価額は922百万円となる。

今回、子会社化した目的は、金融業界向けでの事業強化が挙げられる。世界の金融業界では、ここ数年、フィンテックを用いた電子決済や仮想化通貨サービスなど新たなサービスや経営管理システムなどが相次いで開発され、普及が進んでいる。国内の金融業界は法規制の問題もあってフィンテックへの取り組みが遅れていたが、国際競争力の維持向上のためには、フィンテックへの投資が不可欠であり、今後の成長分野として注目されている。サイオステクノロジー<3744>ではKPS、PCIの子会社化によって、金融業界向けシステムの技術開発力、及び顧客基盤(KPSは証券会社、PCIは銀行が中心)を獲得したことになる。直近の業績で見ると、KPS、PCI合わせて年間売上高で約24億円、営業利益で約2億円の水準となるが、今後は同社が持つ技術開発力や営業ネットワークなども共有することで、シナジー効果を高めていきたい考えだ。また、フィンテック領域における新サービスの開発も進めていきたい考えで、今後の金融業界向けでの事業展開が注目される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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