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【市況】2万円意識もいったん利食いとする参加者が大勢/ランチタイムコメント


 日経平均は上昇。111.68円高の19959.26円(出来高概算9億4000万株)で前場の取引を終えている。25日の米国市場は感謝祭を26日に控えて閑散取引だった。その中でシカゴ日経255先物清算値は大阪比80円高の19930円としっかりだったこともあり、これにさや寄せする格好から買いが先行した。その後も先物主導によるインデックスに絡んだ売買により、一時19992.44円と節目の2万円にあと一歩に迫る局面をみせている。
 東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1000を超えており、全体の過半数を占めている。セクターでは建設、精密機器、その他金融、小売、情報通信、金属製品、輸送用機器、医薬品、不動産などがしっかり。一方で、パルプ紙、石油石炭、繊維、電気機器、鉄鋼などが弱い動きだった。
 指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、KDDI<9433>、ホンダ<7267>、ファナック<6954>などが指数をけん引。半面、米アップルがiPhoneに有機ELを採用するとの報道を受け、液晶材料を手掛けている日東電<6988>、ミネベア<6479>など電子部品の一角が思惑売りから日経平均の重石となっている。

 東証1部の前場の売買代金は9840億円と1兆円を下回っており、米感謝祭を控えて海外勢のフローが減少していることが窺える。ただ、その分個別の指値状況も薄いため、先物主導によるインデック売買の影響を受けやすい。下げの目立つ日東電<6988>をみても、指値は数百株程度が並んでいる状況である。少ないエネルギーでも大きく振らされやすい面はある。
 日経平均は2万円にあと一歩届かなかったが、指数をけん引しているファーストリテ<9983>、KDDI<9433>および、指数の重石となっている日東電<6988>の動向次第では節目の2万円を捉えてくる可能性はありそうだ。もっとも、オーバーナイトのポジションは取りづらい外部環境であり、2万円到達でいったん利食いとする参加者が大勢だろう。(村瀬智一)
《AK》

 提供:フィスコ

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