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【特集】アジュバン Research Memo(4):営業体制を見直し、有力サロンや代理店へのカバーを充実


■業績の推移

(3)営業体制強化

アジュバンコスメジャパン<4929>が今第2四半期中に取り組んだポイントの1つに営業体制強化がある。これは同社の非正規流通対策の過程で副次的効果とされているが、中長期の成長を考えるうえでは非正規流通と並ぶ重要な施策だと言えよう。

同社は最終消費者への販売拠点として約7,000店のA・C・S登録サロンを抱えている。このうち約1,000店を同社の30名の営業担当者が直接カバーする直販サロンで、残り6,000店を別の30名の営業担当者が代理店を介してカバーする代理店サロンという体制だ。

これまで30名の直販サロンの担当者は、経営に関するコンサルティングや受注は言うまでもないが、商品についても流通倉庫から手持ちで担当サロンに配送していた。その結果、営業担当者の仕事の大部分が配送仕事となり、コンサルティングや商品説明などに十分な時間を割くことができないでいた。今回この点を見直し、配送業務を営業担当者から切り離した。この結果、営業担当者は担当するサロン数を増加させながらもカバーの内容を充実させることに成功し、手のすいた直販サロンの営業担当者を代理店カバーにシフトさせることが可能になる。

直販サロンの営業担当者の仕事の内容も、ロイヤルサロンと呼ぶ有力サロンに特に注力し、そこの売上増加を後押しする姿勢を強める。ロイヤルサロンは全サロンの約20%弱(約1,200店)であるが、このロイヤルサロンが全売上高の80%を稼ぎ出す構造となっている。今回の営業体制強化策は、稼いでくれるサロンにもっと稼いでもらえるようサポートする内容であり、即効性が高いものと弊社では考えている。さらに、代理店をカバーする人員を増やすことの期待も大きい。非正規流通対策で有力代理店を失った直後だけに、代理店網の整備強化は不可欠だからだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《HN》

 提供:フィスコ

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