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【経済】日銀の異次元緩和策と企業業績の改善


 日本銀行の黒田総裁は19日に行われた会見で「企業収益が非常に伸びている一方で、賃金の上昇率は鈍いという感は否めない。来年の春闘で具体的にどのような賃上げが実現するか重大な関心を持って見守っている」と述べた。

 黒田総裁は、物価が上昇していないことを理由に、企業は賃金引上げをためらうべきではないと考えているようだ。市場関係者の間では、日銀の量的緩和策は為替相場の円安進行など、一定の影響を与えており、そのことが輸出企業などの企業収益の伸びにつながったことは否めないとの見方が存在している。

 日銀が目標としている物価上昇率2%の早期達成は極めて困難な状況だが、数期前と比較した場合、大手企業の収益は全般的には改善しているようだ。「異次元緩和」にはそれなりの意味があったと言えなくもないが、日銀による追加緩和があるとすれば、2016年前半になるとみられる。
《MK》

 提供:フィスコ

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