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【特集】BS11 Research Memo(6):15/8期は売上高と全利益項目で計画を上回る


■業績見通し

(1) 2015年8月期決算

日本BS放送<9414>の2015年8月期は、売上高8,865百万円(前期比12.7%増)、営業利益1,960百万円(同15.8%増)、経常利益1,912百万円(同14.1%増)、当期利益1,216百万円(同1.9%減)と増収増益で着地した。計画との対比でも、売上高及び全利益項目で計画を上回った。

売上高の内訳では、タイム収入、スポット収入ともに前期比増収となった。タイム収入では通販番組の単価が引き続き上昇中であることと、アニメ番組の放送時間枠拡大が収入増をもたらした。スポット収入は、韓国ドラマの根強い人気がスポット収入のベースを支えたことに加え、BS放送の媒体価値向上に伴って純広スポットも順調に増加したことが貢献した。

費用面では、売上原価全体の約60%を占める「番組関連費用」が映画製作の出資や番組充実化によって増加したものの、「放送関連費用」の減少などもあって、売上高原価率は前期の48.5%から当期は46.9%へと低下した。販管費においては認知度向上のための広告関連費用や、代理店手数料が増加したものの売上高比率では1%の増加にとどまった。その結果、営業利益率は前期の21.5%から当期は22.1%に上昇した。

弊社が同社の業績で最も評価するポイントは、同社の費用構造において、前述したBS放送局ならではの特徴がきちんと実現できている点にある。地上波放送局との最大の違いである放送関連費用は、2015年8月期の対売上高比率が7.3%にまで低下した。当面、実額として年間700百万円前後で推移する見通しであり、売上高の拡大に伴い、売上高比率はさらに低下することが期待される。また、番組関連費用対売上高比率30%を目途とする姿勢を堅持している。この値はキー局系列BS放送各社と比べて10%ポイント程度低いとみられる。その他の経費も基本的には固定費的な性格が強く、売上高の増加率に対して低い伸び率で推移することが予想され、売上高利益率は今後、徐々に拡大していくと弊社ではみている。

注意を要するのは広告代理店に支払う代理店手数料だ。同社の広告収入の7割超は広告代理店経由であり、その比率は今後、緩やかに上昇するとみられる。したがって収入増に伴って代理店手数料も増加することは避けられない。しかしこれを吸収して、売上高利益率は改善基調をたどると弊社ではみている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《HN》

 提供:フィスコ

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