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【通貨】欧米為替見通し:ユーロは底堅い値動きか、米債利回りが低下


今日の海外市場では、ユーロは底堅い値動きとなりそうだ。前週末に発生したパリ同時多発テロなど、足元ではユーロ売り材料が目立つ。しかし、米利上げペースが遅いとの観測を背景に米債利回りが低下傾向を示していることなどを受け、消極的にユーロに買いが入る可能性を見込む。

前週末のパリ同時多発テロの後も、米国発パリ行きのエールフランス機2便が爆破予告を受け目的地を変更するなど、あらたなテロにつながりかねない事件が複数発生した。また、欧州中銀による12月の量的緩和拡大の方針が観測されており、足元ではユーロ売りの手がかりが目立つ。このため、市場では「(1ユーロ=1ドルを下回る)パリティ割れは時間の問題」(米銀の外為ストラテジスト)との見方が強まっている。

しかし、邦銀の外為ディーラーからは「ユーロのショートポジションが積み上がっており、これ以上は売りを出せない」との声が聞かれる。また、米12月利上げ後のペースは鈍いとの見方から、前日は米10年債利回りが低下。ドル売りの流れがやや強まるなか、ユーロが消極的に買われる動きも出ている。

今晩はドラギ総裁の講演やユーロ圏・11月消費者信頼感指数速報値の発表が予定されている。欧州経済の弱さが意識され、欧州中銀の預金金利の引き下げなどが話題となる可能性もあろう。だが、ユーロ売りポジションや米債利回りを手がかりに、ユーロは底堅い値動きとなる展開を想定する。

【今日の欧米市場の予定】

・17:00ドラギECB総裁講演
・18:30 英・10月公的部門純借入額(公的銀行部門除く)(予想:+60億ポンド、9月:+94億ポンド)
・22:30 カナダ・9月小売売上高(前月比予想:+0.1%、8月:+0.5%)
・22:30 カナダ・10月消費者物価指数(前年比予想:+1.0%、9月:+1.0%)
・23:00 ブラード米セントルイス連銀総裁講演(米経済)
・24:00 ユーロ圏・11月消費者信頼感指数速報値(予想:-7.5、10月:-7.7)
・01:15 ダドリーNY連銀総裁講演(米経済)
・ブラジル休場

《SY》

 提供:フィスコ

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