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【特集】システムインテグレータ Research Memo(2):ERP事業が業績けん引、Object Browser事業も伸長


■事業別動向

前期に発生した不採算案件の影響が一巡し、システムインテグレータ<3826>の業績は過去最高水準まで回復している。事業別の売上動向をみると、ERP事業が売上をけん引する格好となっている。Web-ERPパッケージ「GRANDIT」を主力製品としており、なかでも自社開発した「個別生産管理アドオンモジュール」、「繰返生産管理アドオンモジュール」及び「継続取引管理アドオンモジュール」などの需要が製造業向けに拡大していることが要因だ。

また、収益性の高いObject Browser事業についても着実に売上を伸ばしている。同事業ではデータベース開発支援ツールの「SI Object Browser」や設計支援ツールの「SI Object Browser ER (OBER)」で、導入社数が1.3万社を超え、国内ではデファクトスタンダードとなっているが、総合プロジェクト管理ツールであるOBPMも導入社数が前年同期の90社から110社まで増加するなど増収に貢献している。現在、ソフトウェア開発の現場は人手不足もあって、プロジェクトの進捗管理が今まで以上に重要となってきており、OBPMに対する引き合いが増加しているものと考えられる。また、2013年にリリースしたOBDZ(ソフトウェア開発における設計書の自動生成ツール)に関しては、まだ導入社数が少ないものの、システム開発者の生産性向上に寄与する製品として、今後の売上拡大が期待される。

一方、EC・オムニチャネル事業に関しては、売上が伸び悩んでいる状況にある。主力のECサイト構築パッケージの受注活動が、不採算案件発生の影響で殆どできなかったことが影響している。ただ、この10月には新バージョンとなるSI Web Shopping Ver.12をリリースした。特徴は、オムニチャネル化への対応(同社の多店舗統合管理分析サービスSOCSとの連携機能を実装)、マルチデバイス対応、クラウドサービス対応などを実現したことにあり、企業がオムニチャネル戦略を進めていくためのツールとして、今後の受注拡大が期待される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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