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【経済】中国ミドルクラスセダン市場で韓国勢好調、日・米系車は苦戦


中国のミドルクラスセダン市場で、韓国勢が好調だ。今年1~10月は、前年同期比2.6%増の21万5700台を販売。米系、独系、日系車が販売を落とす中で、唯一プラス成長を維持した。同市場での販売シェアを15.54%(前年同期比↑2.1ポイント)に拡大させている。毎日経済新聞が19日付で伝えた。
中国合弁の北京現代を通じて現代自動車が投入するCセグメントセダン「ミストラ」と、Dセグメントセダン9代目「ソナタ」が売れ筋。「ミストラ」は1~10月に、前年同期比15%増の12万5300台を売り上げた。また10月に発売されたばかりの9代目「ソナタ」は、同月に5889台を販売。発売当月としては同社の過去最多を記録した(これまでの投入車種は、発売当月の販売が平均1000台程度)。
一方で、米系、日系車は苦戦。米系車の1~10月販売は、前年同期比10.37%減の32万9200台に落ち込んだ。日系車も5.8%減の39万9100台と低迷している。ただ米系、日系車ともに落ち込み幅は、この期の中国ミドルクラスセダン販売市場全体のそれ(11.26%)を下回る水準。このため販売シェアは米系車が23.72%、日系車が28.53%(↑1.65ポイント)と若干ながら拡大した。
ただ日系車に関して専門家は、ミドルクラスセダン市場でのシェアが今後落ちる可能性を指摘する。今年10月に導入された小型車減税の影響を受けるとの見方だ。ミドルクラスセダン分野の日系車主力は、足元で排気量2.0リッター以上。しかし減税対象は、排気量1.6リッターの小型車に限られる。ホンダ「アコード」は、排気量2.0リッター、2.4リッター、3.0リッターの3仕様を展開。日産「ティアナ」とトヨタ「カムリ」も2.0リッターと2.5リッターのラインアップで、いずれも減税対象から外れた。
半面、独系のミドルクラスセダンは、その多くが1.4リッターのコンパクトタイプ。米系車も1.6~1.5リッターモデルが投入されている。韓国勢をみても、現代自の9代目「ソナタ」に搭載される1.6リッターエンジンが、北京現代のその他車種に今後採用されるとみられている。
ミドルクラスセダンは、中国市場全体でみてシェアが縮小傾向にある。今年1~10月の販売台数は、前年同期11.26%減の138万8100台。落ち込み幅は、この期のセダン販売全体(8.3%)を2.96ポイント上回った。若者を中心に需要が高まっているミドルクラスSUV(多目的スポーツ車)やミニバンに市場の“パイ”を食われている状況だ。

【亜州IR】

《ZN》

 提供:フィスコ

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