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【特集】【中国の視点】原油価格の先見通し、パリ同時多発テロで一段と不透明に


フランスのパリで同時多発テロが発生したことを受け、世界の金融市場や原油など商品価格が不安定な展開を示した。

中国政府系シンクタンクである社会科学院の財経戦略研究院はこのほど、パリ・テロが原油価格に与える影響について、「イスラム国(IS)」の産油量が限られているため、直接な影響が限定的だとの見方を示した。原油が下落した後はすぐにも回復すると予測。2001年に起きた米同時多発テロ(9.11テロ)後の原油価格がいったん下落した後は堅調な回復を示したと指摘した。

ただ、同研究院は、世界情勢が複雑になっている中、現時点では原油価格の先見通しを予想するのは困難だと強調した。まず、パリ・テロの発生に伴い、内外の投資家が欧州経済に対する信頼感指数を低下していると指摘。2008年の世界同時不況に続いて欧州債務危機(2010年)が発生してからすでに5年以上経過したが、欧州経済が完全に危機から脱却していないと警告した。これに加え、イスラム文化に対抗するなど宗教的な対立がこれからも出てくると予測した。

また、同研究院は、◆パリ・テロがユーロ安につながる恐れがあるほか、欧州中央銀行が金融緩和を継続させる可能性が高いため、これが米ドル高や原油安につながる公算が大きいと分析した。◆対テロ戦争が拡大されれば、中東地区の石油供給や原油価格に影響を与えると指摘。◆石油輸出国機構(OPEC)の会合が年内に控えるため、産油量の決定が価格にも大きく影響すると強調した。
《ZN》

 提供:フィスコ

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