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【特集】トライステージ Research Memo(7):財務の健全性は高く、他人資本の調達余力は大きい


■中期計画

(2)財務戦略

トライステージ<2178>は財務戦略に関して、今後3年間で約100億円の投資を実施していくに当たって、借入金など他人資本を活用しながら資本効率を高めていくとしている。2015年2月期の自己資本比率は69.1%、有利子負債比率は7.1%と財務の健全性は高く、他人資本の調達余力は大きい。今後も財務の健全性を維持していくことを前提に、財務レバレッジを効かせた経営を推進し、のれん償却前ROEで前期実績の7.3%から2018年2月期には10.0%の水準を目指していく。

また、総資産回転率(売上高÷総資産)や売上高利益率の向上も目指していく。総資産回転率に関しては、各事業の施策実行による売上拡大に加えて、売上債権等の早期回収による運転資本の圧縮・適正化、M&Aや新規領域への事業拡大等による資産の有効活用を推進していくことで引き上げていく。

2015年8月末の財務状況を見ると、総資産は前期末比512百万円増の13,499百万円となった。主な変動要因は、売上債権が同970百万円増加し、現預金・有価証券が同471百万円減少している。一方、負債は前期末比715百万円増の4,709百万円となった。有利子負債は同49百万円減少したものの、買掛金が同621百万円、未払法人税等が同84百万円それぞれ増加した。純資産は前期末比203百万円減の8,790百万円となった。四半期純利益が318百万円となったのに対して、配当金の支払いが530百万円になったことが要因となっている。経営指標を見ると、自己資本比率は60%台、有利子負債比率が10%以下の水準であり、財務状況の安全性は高いと判断される。

なお、10月21日付でToSTNeT-3(自己株式立会外買付取引)による自己株式取得を実施している。取得株数は168.9万株(発行済み株式数の22.6%)、取得価額は3,547百万円で、主要株主であったプロスペクト・アセット・マネージメント・インクから全保有株を買い付ける格好となった。今回、自己株式を取得した理由として、1株当たり当期純利益及び株主資本利益率の向上に寄与し、株主への利益還元にもつながるなど、中期経営計画の施策と一致すること、また、今回の自己株式取得後においても財務面での安全性は維持されていることなどが挙げられる。なお、取得した自己株式についてはM&Aや業務提携への活用、ストックオプション等社員のインセンティブとしての活用のほか、必要と判断される場合には消却の可能性も想定している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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