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【経済】NYの視点:10月FOMC議事録での焦点


米国の年内利上げは金利先物市場で17日現在、64%織り込まれている。米連邦準備制度理事会(FRB)が18日にワシントンで公表する10月27-28日に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録の中で、利上げの可能性をさらに探ることになる。

焦点は第1に、声明の中で、「12月の会合」と特定した理由。米FRBは10月FOMC声明の中で、「委員会は“次回の会合”で、利上げが適切かどうか協議する可能性がある」との文言を新たに加えた。今まで、FRBはカレンダーベース、または、期日に言及することを避けてきたことを考えると、異例となる。

会合後の講演で、サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁などは、「“次回の会合”の文言を加えたことで、市場とFRBの利上げペースに対する見通しのギャップを埋めることに成功した」と言及。議事録の中で、さらにFOMCの真意を探ることになる。確かに、FOMC以前、金利先物市場での利上げ確率は30%前後に過ぎなかった。FOMCを受けて、50%に上昇。サプライズを嫌うFRBは通常、市場がFRBの行動を70%以上織り込まない限り、行動を起こさないと言われている。7割近く利上げが織り込まれている現状では、市場がFRBに利上げにgoサインを出していることになる。

焦点の第2は、メンバーによる利上げペースの見解に関する見解。

焦点の第3は、世界のリスク。9月のFOMC声明で示した「最近の世界経済、金融市場の進展は経済活動をいくらか抑制し、インフレに短期的に下方圧力になる可能性がある」との警告を、10月の声明では削除した。引き続き中国の経済低迷や原油価格の下落などが成長リスクとして警戒される中、文言の削除にいたる過程に焦点が集まっている。

最後の焦点として、現在FRBが保有している資産の解消に関する具体的な方法も注目されている。

《NO》

 提供:フィスコ

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