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2015年11月17日16時14分

【特集】静岡ガス Research Memo(9):コジェネを活用した地域分散型エネルギーマネジメント事業モデルを推進


■中長期戦略

(2)マルチエネルギーによるベストソリューション

産業用、業務用の顧客に対しては、ガス(LNG、LPG)、電力などを組み合わせた最適なトータルソリューションを提案し、更なる売上拡大を目指していく。特に、静岡ガス<9543>ではコジェネを活用した地域分散型エネルギーマネジメントの事業モデルを推進していく戦略だ。

その核となるのが2014年に設立した静岡ガス&パワー(株)で、顧客工場のコジェネで発生した余剰電力を買い取って、企業や家庭向けに販売していく格好となる。電力供給が不足する際には自社の自家発電設備や地域の再生可能エネルギーなどからの買取りも行い、安定供給を実現していく。このため同社では自社内で15MW(50Hz用)の調整電源を整備し、2016年4月から稼働開始を予定している。

顧客企業のコジェネの発電容量は、2015年見込みの140MWから2025年には220MWまで拡大する計画となっている。直近では新規に2件、発電容量で合計約40MWの契約が成約する見込みとなっている。ガス販売量に換算すると約60百万立方メートルの増加要因となり、コジェネの増加によって、産業用のガス販売量拡大に寄与することになる。なお、電力販売量に関しては2025年に300百万kWhを目標としている。

一方、ガスの卸販売に関しては今後、2つの大きな変動要因がある。第1に、静浜幹線の全線開通による中部ガス向けの卸販売の増加が見込まれる。中部ガス向けには従来、ローリー車による輸送を行っており、2014年は約60百万立方メートルを販売し、2015年は50?60百万立方メートルの販売見込みとなっている。2015年10月からパイプラインでの送出が可能となったことで、2016年以降は100百万立方メートル以上の販売量が見込まれている。中部ガスでは中期目標として、ガス販売量を直近の300百万立方メートルから500百万立方メートルへ拡大していくことを目標としており、同計画が達成されるようであれば、同社の中部ガスへの卸販売量も160百万立方メートルまで拡大する可能性がある。中部ガスでは、コジェネ等を活用したマルチエネルギーソリューション提案による新規顧客の開拓により販売量を増やしていく戦略であり、同社も協業しながら顧客開拓をサポートしていくこととなる。

また、第2の変動要因としては、INPEX向けの卸販売量が2017年から減少することが挙げられる。これはINPEXのLNG直江津基地の新規稼働により、同社からの調達量が減量されるためで、契約では従来の年間36百万立方メートルから2017年以降は24百万立方メートルとなる予定となっている。このため、卸販売に関しては2016年に増加し、2017年に減少する格好となるが、2014年12月期の567百万立方メートルから見れば、2017年12月期は674百万立方メートルと増加する計画となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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