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【特集】静岡ガス Research Memo(3):主力のガス事業で売上高・利益の9割を構成


■会社概要

(2)事業内容

静岡ガス<9543>の事業セグメントはガス事業、LPG・その他エネルギー事業、その他事業の3つのセグメントで構成されており、売上高、セグメント利益ともにガス事業が約9割を占める主力事業となっている。

○ガス事業
ガスの供給、販売及びLNGの販売を同社及び子会社で展開している。ガスの供給、販売エリアは、同社が静岡県内の中東部エリアで展開しているほか、連結子会社で静岡県内に4社、山梨県、長野県、新潟県に各1社ある。また、LNG基地の運営及びガスの製造を担う連結子会社、清水エル・エヌ・ジー(株)が同事業セグメントに含まれている。その他、持分法適用関連会社として、中部ガスと合弁で設立した静浜パイプライン(株)(出資比率50%)がある。

ガスの販売先は家庭用、業務用、工業用、卸販売の4つに区分されており、2014年12月末時点の契約件数は連結ベースで34.2万件(単独で31.4万件)となっている。単独ベースのガス販売量の推移を見ると、LNGを導入した1996年以降、工業用や卸販売の拡大によって、約7倍に増加している。2010年以降はINPEXへの供給開始によって卸販売が大幅に拡大した。ガス大手2社との対比で見ると、家庭・業務用の比率が低く、卸売の構成比が高くなっていることが特徴となっている。また、大口顧客の業種別販売量構成比を見ると、紙・パルプが36.1%、化学が26.2%と両業種で60%超を占めている。

なお、業界でのポジションは、全国に209社の都市ガス事業者がある中で、ガス販売量で4位、顧客契約件数で10位となっている。

○LPG・その他エネルギー事業
LPG・その他エネルギー事業は、連結子会社の静岡ガスエネルギー(株)によるLPGの販売(グループ会社への卸販売も含む)及び付随する機器販売、配管工事が売上高の大半を占めている。また、同社で展開しているオンサイト・エネルギーサービス事業も含まれている。オンサイト・エネルギーサービスとは、熱や電気エネルギーなどを大量に消費する顧客工場などにおいて、エネルギー消費効率の向上に寄与するコジェネや空調熱源等を設置し、その設備を稼働して発生した電気、熱エネルギーを顧客企業に販売する事業を指す。主に、紙・パルプや化学工場などで導入されている。

その他、電力小売りの自由化を見据えて発電及び電力の売買を目的とした新会社、静岡ガス&パワー(株)を2014年7月に設立しており、同事業セグメントに含んでいる(営業開始は2016年より)。

○その他事業
その他事業には同社及びガス販売子会社で行っているガス配管工事の施工及びガス機器販売のほか、ガス設備の保全・工事、空調工事、ガス・火災警報器の販売及びリフォーム事業、リース業務、情報システム開発など関連業務を行う子会社の事業が含まれている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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