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【市況】<株式トピックス>=再編ドミノ、風雲急を告げる石油業界

 16日の東京株式市場で、JXホールディングス<5020>が5日ぶりに大幅反発した。一時、前週末比23.4円高の486.1円まで買い進まれ、終値は同19.4円高の482.1円となった。また、東燃ゼネラルの株価は、安く始まったものの、後場には一段高に買われ、終値は前週末比31円高の1270円となった。
 この日JXは、東燃ゼネラル石油<5012>との経営統合報道を受けて、午前8時20分から一時売買停止となっていたが、10時26分に取引を再開し買い進まれた。今朝の複数の報道で「JX日鉱日石エネルギーを傘下に持つJXホールディングス(HD)が、同3位の東燃ゼネラル石油と経営統合に向けた交渉に入ったことが15日、わかった」と伝えられた。
 報道に対して会社側では、「当社として発表したものではない」として、「石油精製販売事業の競争力強化について様々な検討を行っているが、現時点で決定した事実はない」とコメントしている。
 ただ、石油元売りで国内トップのJXは、3位の東燃ゼネラル石油に経営統合を打診している。元売り各社は、人口減少や省エネ化による石油需要の減少で収益力が低下しており、2位の出光興産<5019>と5位の昭和シェル石油<5002>が競争力向上に向けた合併で先週の12日に基本合意を発表したばかりだ。ライバルの追い上げに危機感を持つJXは、当然さらなる規模拡大を目指しており、石油業界は再編ドミノの様相を強めている。
 1980年代には、石油元売り会社は10以上を数えたが、現在は大手5社体制となっている。今回の再編劇が現実のものとなれば、とりあえずコスモエネルギーホールディングス<5021>を含めて3社体制となり、その後はこのコスモの身の振り方に注目が集まることになる。(冨田康夫)


出所:株式経済新聞(株式会社みんかぶ)

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