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【通貨】欧米為替見通し:パリ同時多発テロ受けユーロ一段安の可能性


今日の海外市場では、13日に発生したフランス・パリ同時多発テロを受け、ユーロ売り先行となりそうだ。事件による被害の大きさを背景に欧州中央銀行による量的緩和拡大の方針が意識され、直近安値を下抜ける可能性がある。この場合、近く対ドルでは年初来安値が視野に入る展開を想定する。

パリで発生した同時多発テロを受け、週明けの欧米市場では株、債権、通貨が売られるトリプル安が見込まれる。ユーロ・ドルは、欧州中銀による12月の量的緩和拡大の観測からこのところ下落基調だが、下値ではショートカバーのユーロ買いがみられ、1.07ドル付近で下げ渋る展開が続いている。今日の取引では10日に欧州中銀のドラギ総裁が議会証言の際に付けた直近安値の1.0675ドルが下値メドとなろう。

ただ、今回パリでのテロは、1月7日の週刊誌襲撃をはじめ今年に入って発生した5回のテロ事件と比べ、より広範囲で大きな被害をもたらした。事件を首謀したとみられる過激派組織「イスラム国」はフランスでのテロ攻撃をなおも続ける方針を示しており、欧州地域全体に不穏なムードが強まっている。

このため、今後のユーロ圏の域内貿易や観光など経済情勢への悪影響が懸念されることから、欧州中銀は12月の金融政策理事会で金融緩和方針をさらに強化する見通し。こうした動きが意識されることで、ユーロ・ドルは売りが加速し、1.0675ドルを下抜けた場合「仕掛け的な動きが予想される」(邦銀関係者)という。このため、今年3月に付けた年初来安値1.0458ドルが短期的に視野に入る展開を想定しておきたい。

【今日の欧米市場の予定】

・19:00 ユーロ圏・10月消費者物価指数改定値(前年比予想:0.0%、速報値:0.0%)
・19:15 ドラギECB総裁講演
・22:30 米・11月NY連銀製造業景気指数(予想:-5.50、10月:-11.36)
・G20首脳会議(15-16日、トルコ)

《SY》

 提供:フィスコ

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