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【市況】<株式トピックス>=MRJ試験飛行、航空機製造が輸出産業へ第1歩

 11日の東京株式市場は、朝方売り優勢で始まったものの、その後は底堅さを取り戻し、日経平均株価は前日比プラスとマイナスの挟間を往来する展開。終値は前日比20円13銭高の1万9691円39銭と小幅ながら6日続伸となった。
 きょうは、三菱重工業<7011>の子会社の三菱航空機が開発・生産する小型旅客機「MRJ」の初の試験飛行がきょう9時半過ぎから行われ、無事飛行に成功したことで、東レ<3402>、住友精密工業<6355>、ナブテスコ<6268>などの関連銘柄が物色人気を集めたことが話題となった。
 国産旅客機の試験飛行は官民一体の組織による「YS11」以来、なんと53年ぶりのこと。開発工程の見直しなどにより、これまで5度も延期されてきた経緯があるだけに関心も強まった。MRJはすでに国内外の航空会社6社から計407機を受注しており、初号機は2017年の4~6月にANAホールディングス<9202>に納入する予定という。ライバル社の従来機より約20%改善したという燃費性能や、低騒音に加え、客室空間の快適性も強みだ。
 日本の航空機産業は戦前には「零戦」などの軍用機が開発・製造され、一大産業を形成していた。ところが、敗戦に伴いGHQ(連合国軍総司令部)によって生産が禁止され、国内の航空機製造の伝統は途切れた。しかし、航空機の部材、部品については世界に供給できる水準を誇っている。
 今回のMRJの飛行を契機に、航空機製造が新幹線やロボットのような世界に誇れる日本の新たな有力な輸出産業への第1歩となることを期待したい。


出所:株経通信(株式会社みんかぶ)

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