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【通貨】欧米為替見通し:南アランドは対円で年初来安値を更新か


今日の海外市場では、南アランドの値動きが注目されそうだ。米12月利上げが確実視されるなか、新興国通貨の売り基調が鮮明となっているが、とりわけランドは国内経済の悪化が懸念され、下げ止まらない状況。今晩発表の経済指標の内容によっては対円で年初来安値を更新する可能性がある。

6日に発表された米雇用統計が市場コンセンサスを大きく上振れ、利上げが確実視されたことから、ドル買い・新興国通貨売りの圧力が強まっている。トルコリラやブラジルレアルなど新興国通貨のうち、ランドは下落基調が鮮明になり、6日には対ドルで史上最安値を更新。対円でも9月29日に付けた年初来安値8円43銭に接近。2008年のリーマン・ショック直後の安値圏に迫る。

南アの場合、国内経済悪化の懸念がランド売りの主要因とみられる。失業率が25.5%と高水準が続いているほか、発電や電力消費などの経済指標も前年を下回ったままだ。今晩20時に発表される9月製造業生産は、前年比予想-2.5%が市場コンセンサスで、8月の-0.2%から悪化する見通し。

また、相関性の強い金相場の下落もランドを押し下げる要因。金先物は足元で1090ドル付近と2010年3月以来の水準に落ち込んでおり、節目1000ドル割れも視野に入ってきた。金相場の反転材料は乏しく、目先もランド買いは入りにくい。今晩の低調な製造業生産が材料視されれば、対ドルでの史上最安値更新に続き、対円でも年初来安値を更新する公算が大きい。


【今日の欧米市場の予定】

・20:00 南ア・9月製造業生産(前年比予想:-2.5%、8月:-0.2%)
・22:30 米・10月輸入物価指数(前月比予想:-0.1%、9月:-0.1%)
・24:00 米・9月卸売在庫(前月比予想:0.0%、8月:+0.1%)
・03:00 米財務省10年債入札(240億ドル)
・シンガポール休場

《SY》

 提供:フィスコ

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