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【特集】【中国の視点】外貨準備高:6カ月ぶり増加、元安観測が後退へ


中国人民銀行(中央銀行)は今月7日、10月末時点の外貨準備高が3兆5260億米ドル(423兆1200億円)となり、前月末から113億9000万米ドルを増加したと発表した。これは6カ月ぶりの増加となる。

市場関係者は、外貨準備高の増加について、人民元の先安観測の後退を意味しているとの見方を示した。

今年8月に人民銀による実質的な元切り下げを受け、元の一段安を予測する市場関係者が優勢だった。元の一段下落を食い止めるため、人民銀が一部の外貨準備を利用して元相場の安定推移を維持してきた。

また、中国経済の減速圧力が高まっていることに加え、米利上げ観測の高まりを受け、元の対米ドル為替レートは昨年後半から元安傾向に傾き、これが外貨準備高を減少させていた主因だと分析されている。中国の外貨準備高は昨年6月末時点の3兆9900億米ドルをピークに徐々に減少していた。

一方、国際通貨基金(IMF)の特別引出権(SDR)構成通貨への元組み入れに対する期待が高まっていることを受け、10月に入ってから元の対米ドル相場は元高に傾いていた。

なお、中国の外貨準備は米国債の保有残高にも影響を与えていた。外貨準備高が減少している間に、中国が米国債の売りを継続していたことが、米財務省の発表でわかった。
《ZN》

 提供:フィスコ

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