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【経済】またもやサプライズの米雇用統計


先週発表された米国の10月雇用統計は、非農業部門の就業者数が市場予想の18万人増(前月比)を大幅に上回る27万1000人の増加と、大きなサプライズとなった。失業率も5.0%と前月から0.1ポイント低下し、約7年半ぶりの低水準となった。
 前回の雇用統計では予想を大きく下回るネガティブサプライズだったが、今回は逆方向にサプライズと雇用統計の数字自体を疑いたくなるような展開である。
 ともあれ、今回の雇用統計を受けて12月に米国が利上げをするという予想が圧倒的となってきた。
 イエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長は12月の利上げを示唆しており、他の多くのメンバーも利上げに前向きな姿勢を示している。声明やメンバーの発言等からすると、FRBはとにかく一回は利上げして金利正常化の方向へ踏み出したいという強い意向があることがうかがえる。このまま何もなければ12月に利上げしたいというのは偽ざる本音であろう。
 興味深いのは株価の反応である。最近の傾向としては、利上げ懸念が高まると米国株式市場は大きく下落していたが、今回の雇用統計発表後の金曜日はいったん下落後右肩上がりに上昇して取引を終えた。
 これまでは利上げに怯え、水鳥の羽音に驚いて慌てふためくような相場だったが、いよいよ利上げのタイミングと、その後の「緩やかな利上げ」を織り込みつつあるのかもしれない。
《YU》

 提供:フィスコ

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