【市況】【杉村富生の短期相場観測】
株式評論家 杉村富生
「申年は時代の大きな転換点に」
●ジンクス通り波乱のスタート
霜月(11月)の入りは2日新甫だった。ジンクス通りの波乱のスタート(11月2日の日経平均株価は399円安)となった。十干十二支によると、2016年は丙申(ひのえさる)となる。兜町では「申酉(サルトリ)騒ぐ」という。
過去の申年は時代の大きな転換点になっている。すなわち、1944年は終戦の1年前(連合国側では7月に、ブレトンウッズ体制を構築)、1956年は経済白書が「もはや、戦後ではない」と。日本は高度成長に向けて突っ走る。
そして、1968年の株式市場では証券不況時に株式を買い支えた共同証券、日本証券保有組合の保有株式の放出が話題となる。余談だが、この株式売却益によって、現在の証券会館が建設された。コストゼロ(タダ)である。
1980年は戦後総決算相場の始まり、実質的にバブル始動(日経平均は1989年12月29日の3万8915円まで駆け上がる)と言って良いだろう。
1992年8月には当時の宮澤喜一首相が「金融機関に重大な不良債権が存在する」と初めてコメントした。バブル崩壊の後遺症の顕在化である。
●サルとキジが騒ぐのは桃太郎の世界!
さて、申酉騒ぐというが、サルとキジ(日本の国鳥)が騒ぐのは桃太郎の世界である。これは何を意味しているのだろうか。
実は日本のおとぎ話には拾った子供をじいさま、ばあさまが育てるケースが多い。桃太郎がそうだし、かぐや姫、一寸法師がそうじゃないか。子供は国の宝である。だからこそ、地域コミュニティが総出で守り、育てる……。昔、昔はそんな社会だったと思う。
現代では子育て支援に通じる。安倍政権は「夢つなぐ子供に支援」とし、出生率を1.8%(現在は1.4%)に高める方針だ。中国は1979年以来の「一人っ子政策」を撤廃した。JPHD <2749> 、ピジョン <7956> 、幼児活動研 <2152> [JQ]などはこのメリットを享受できるだろう。
2015年11月4日 記
株探ニュース