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【市況】米国株式市場見通し:10月小売売上高に注目


先週発表された10月雇用統計が予想を上回る堅調な内容となり、FF金利の先物取引から算出される12月の利上げ確率は68%(6日時点)と利上げ開始を12月と見る向きがさらに優勢となってきた。今週以降は国内経済指標や海外経済の動向に注目が移るが、13日に発表される10月小売売上高に注目したい。9月は前月比0.3%減(自動車除く)となったが、10月は同比0.4%増(同)が予想されている。14日には11月ミシガン大学消費者信頼感指数の発表も予定されており、今月下旬から本格化する年末商戦で、個人消費を後押しする兆候が確認できるかどうかが注目されそうだ。

今週は百貨店のメーシーズ(11日)、ノードストローム(12日)、JCペニー(13日)などの小売企業の決算発表も予定されており、決算内容と共に年末商戦の見通しに注目が集まるだろう。小売以外ではネットワーク機器のシスコシステムズ(12日)、メディアのバイアコム(12日)、半導体製造装置のアプライド・マテリアルズ(12日)などの決算発表が予定されている。JCペニーの5-7月期決算は好調で赤字が前年同期から縮小した。中でも店舗内に設置した化粧品ブティック「セフォラ」部門の既存店売上高が2桁成長と好調で、JCペニー全体の8-10月期業績にも期待が高まっている。

今年の年末商戦では、アップルとマイクロソフトが主力製品の刷新や新製品の追加を行っており、製品買い換えに伴う競争が激化するだろう。マイクロソフトは最新の基本ソフト(OS)「Windows 10」の無償アップグレード提供に伴い、10月末に同OSを搭載したタブレット型端末「Surface Pro 4」やノートPC型端末「Surface Book」の発売を開始した。これらの新商品はアップルと比べて解像度、処理速度ともに優れている。同社初となるノートPCである「Surface Book」は店舗での先行予約分は既に売り切れとなっており、注目度の高さが伺える。

経済指標では10月輸入物価指数(10日)、10月卸売在庫(10日)、10月小売売上高(13日)、10月生産者物価指数(PPI)などの発表が予定されている。中国でも10月消費者物価・生産者物価指数(10日)、10月小売売上高・鉱工業生産(11日)など主要経済指標の発表が多数予定されており、注目が集まるだろう。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

 提供:フィスコ

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