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【特集】【中国の視点】IMFのSDR採用後の人民元動き、一時急落との見方も


国際通貨基金(IMF)国際準備資産SDR(特別引出権)構成通貨への人民元組み入れ問題について、近く審議される見通しだ。市場関係者の間では、人民元の組み入れ確率が高いとの見方が優勢になっている。

また、SDRの構成通貨への組み入れが決定された後の元の動きについて、一時急落するとも予測されている。オーストラリア・コモンウェルス銀行は最新リポートで、中国人民銀行(中央銀行)による一連の利下げ実施を受け、むこう数カ月は元安が急速に進行する可能性があるとの見方を示した。また、一部では、最近の人民元の上昇について、SDRへの組み入れ期待から買われるもので、決定が発表された後は売りに押される可能性があると予測されている。

一方、JPモルガン・チェース(JPM)は、人民銀が元相場の安定推移を維持することを優先すると指摘し、元の急落が考えにくいと指摘。また、元の急落が中国経済の安定性を脅かす恐れがあるため、当局は通貨の乱高下を極力避けると強調した。

とはいえ、輸出伸び鈍化に伴う景気減速に悩まれている中国政府にとって急速な元高を好ましくないと指摘され、短期的には緩やかな元安が進む可能性も否定できないと分析された。
《ZN》

 提供:フィスコ

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