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【特集】【中国の視点】市中銀行の不良債権が急増、退職者相次ぐ


国内メディアはこのほど、市中銀行の不良債権の急増を受け、辞職願を提出している行員が相次いでいると報じた。発表された上場16行の7-9月期の決算では、同期の不良債権比率がそろって上昇したという結果が示された。

その中でも国有銀行の不良債権比率は2%近くまで上昇しており、銀行の純利益が大幅に縮小。中国銀行など国有大手4行の7-9月期の増益率は0%台まで低下した。景気の先行き不透明感が強まる中、不良債権比率が一段と上昇する可能性があると警戒されている。

一方、専門家は、不良債権比率が2%以下なら健全であると指摘。また、不良債権比率の増加に伴う業績悪化が行員のボーナスに影響するため、退職者の増加が想定範囲内であるとの見方を示した。ただ、商業銀行は従来の経営方式では生き残れなくなるため、各銀行が改革に迫られていると指摘した。

なお、景気対策の一環として中国人民銀行(中央銀行)は利下げや預金準備率の引き下げなどの金融緩和策を相次いで実施した。ただ、企業の資金需要が依然として低迷しているため、銀行の利益率低下は継続している。また、景気減速が不良債権比率の増加の主因だと指摘され、景気が回復しなければ、不良債権比率は簡単に低下しないと指摘されている。
《ZN》

 提供:フィスコ

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