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【市況】新興市場見通し:引き続き堅調な展開か、郵政グループ3社が4日上場


先週の新興市場は、マザーズ指数、日経ジャスダック平均ともに上昇した。週初から週半ばにはAppBank<6177>やGMOメディア<6180>といった直近IPO銘柄が賑わいを見せた。週末にかけては直近IPO銘柄が利益確定売りに押される一方、それまで上値の重い展開となっていたマザーズ時価総額上位銘柄の一角が大きく上昇し、指数をけん引した。なお、週間の騰落率は、日経平均が+1.4%であったのに対して、マザーズ指数は+2.1%、日経ジャスダック平均は+0.4%だった。

個別では、マザーズ時価総額上位のミクシィ<2121>が週間で7.3%高と堅調だったほか、個別材料を手掛かりにサイバーダイン<7779>が同11.9%高、そーせいグループ<4565>が同12.6%高と急動意を見せた。直近IPO銘柄のブランジスタ<6176>は前週末比2倍以上に急伸。作詞家の秋元康氏と「AKB48」関連ゲームを開発すると報じられ連日のストップ高となった。電通とスマートフォンセンサー活用のネット広告開始と伝わったアクセルマーク<3624>や、フィンテック(金融とITの融合)関連として取り上げられたメタップス<6172>も人気化した。反面、FFRI<3692>が同1.5%安、ジグソー<3914>が同3.3%安と軟調で、物色は一部の直近IPO銘柄と材料株に集中した印象もある。ジャスダック主力では、デジタルガレージ<4819>が同5.2%高、ノジマ<7419>が同3.4%高となる一方、クルーズ<2138>が同9.5%安、イリソ電子工業<6908>が同9.8%安となるなど高安まちまち。10/27にパートナーエージェント<6181>、10/28バルニバービ<3418>がいずれもマザーズへ新規上場した。10/23に上場し初日値付かずとなったGMOメディアを含め、3社とも公開価格の2倍以上の高初値を付けた。GMOメディアは全市場売買代金上位に顔を出す日も見られた。

今週の新興市場は、引き続き堅調な展開となることが想定される。今週は新興市場でも約200社が決算発表を予定しており、好業績の中小型株に関心が向かうだろう。足元ではマザーズ売買代金が1000億円を超える日も多く、主力輸出株の低調な決算が目立つなかで中小型株へ資金が流入している。ただ、週末には米10月雇用統計の発表が控えており、相場全体で様子見ムードが強まる可能性がある。

今週は、11/4にノジマ、イーレックス<9517>、11/5にアクセルマーク、セプテーニ・HD<4293>、11/6にジグソー、カルナバイオサイエンス<4572>、タカラバイオ<4974>、イリソ電子工業、大塚家具<8186>、ワイヤレスゲート<9419>などが決算発表を予定している。また、後述する日本郵政グループ3社の上場前後には、関連銘柄に再度関心が向かう可能性もある。

IPO関連では、11/4に日本郵政グループ3社(日本郵政<6178>、かんぽ生命保険<7181>、ゆうちょ銀行<7182>)がいずれも東証1部へ新規上場する。3社合計の売出額は約1.4兆円と、NTT<9432>以来の大型案件となる。中小ベンチャー企業のIPO案件のように初値急騰とはいかないだろうが、ブックビルディングでも需要は堅調だったことから、公開価格を上回る好スタートが期待される。なお、先週はインベスターズクラウド<1435>(12/3、マザーズ)、鎌倉新書<6184>(12/4、マザーズ)の新規上場が発表された。

《FA》

 提供:フィスコ

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