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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~緩和観測が後退、任天堂にハシゴ外される


29日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・緩和観測が後退、任天堂にハシゴ外される
・ドル・円は120円74銭付近、日本株のマイナス圏転落で弱含み
・任天堂<7974>、DENA<2432>がスマホゲームの延期を発表し急落


■緩和観測が後退、任天堂にハシゴ外される

日経平均は小幅に下落。17.18円安の18885.84円(出来高概算11億3000万株)で前場の取引を終えた。米株高の流れを受けて19000円を回復して始まったが、寄り付き直後に付けた19080.89円を高値に、その後はじりじりと上げ幅を縮めており、前場半ばには下げに転じている。市場予想を上回る9月の鉱工業生産の発表を背景に、日銀の追加緩和観測が後退しており、主力株には次第に利益確定の売りが優勢になっている。

セクターでは医薬品、機械、卸売、精密機器、石油石炭、鉱業などが堅調。半面、証券、その他製品、空運、繊維などが冴えない。東証1部の騰落銘柄は、値上がり、値下がり数が拮抗。規模別指数では大型株指数のみがマイナス圏で推移している。

米連邦公開市場委員会(FOMC)では、政策金利が据え置かれ、12月の利上げを検討するとの表現が加わった。FOMC後いったん急落をみせたが、その後の上昇によって12月利上げは織り込まれた格好。これを受けて日経平均は直近戻り高値を捉えると期待されていたが、上値の重さが嫌気された影響もありそうだ。

決算ピークの中で積極的な参加者が限られる中、インデックスに絡んだ商いによってトレンドが出やすくなっており、特に主力処の弱さが目立っているため、センチメントを悪化させている。また、任天堂<7974>が急落する等ハシゴを外される動きなども、より慎重にさせていると考えられる。

個別に強い値動きをみせている銘柄等での短期的な値幅取り狙いの商いが中心になりそうである。また、資源株などは原油高を背景に買われた面があるが、時間外で下げているため手掛けづらい状況である。材料株や中小型株に資金がシフトしやすいだろう。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■ドル・円は120円74銭付近、日本株のマイナス圏転落で弱含み

ドル・円は120円74銭付近で推移。日経平均株価が高寄り後、マイナス圏に転落した値動きに連動した。

ドル・円は前日海外市場で、米連邦公開市場委員会(FOMC)が12月利上げに前向きなスタンスを示したことを受け、一時121円26銭まで上昇。その後東京市場にかけて値を下げる展開となった。

東京市場で、ドル・円は朝方121円18銭を付けた。8時50分に発表された9月鉱工業生産は前月比+1.0%で市場予想の-0.6%を上回ったことから、日銀による追加金融緩和の思惑は後退し、ドル売りがやや優勢となった。

また、日経平均が高寄りしたものの、マイナス圏に転落したことから、ドルは弱含んだ。上海総合指数は前日終値付近で推移しているが、ランチタイムの日経平均先物はやや下げ幅を拡大していることから、ドルは午後も下落方向とみる。

12時34分時点のドル・円は120円74銭、ユーロ・円は131円88銭、ポンド・円は184円27銭、豪ドル・円は85円73銭で推移している。

(為替・債券アナリスト 吉池威)


■後場のチェック銘柄

・Fリテ<9983>、DENA<2432>、トヨタ<7203>が日経平均を約45円押し下げ
・任天堂<7974>、DENA<2432>がスマホゲームの延期を発表し急落
・ファナック<6954>は通期業績予想の上方修正を受けた買いが継続


☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
・特になし

<海外>
・特になし

《SY》

 提供:フィスコ

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