【特集】カイオム Research Memo(6):今後2年程度の事業資金は確保されている状況
■業績動向
(2)財務状況
カイオム・バイオサイエンス<4583>の2015年6月末の財務状況を見ると、総資産は前期末比815百万円減少の5,441百万円となった。主に、期間損失の計上や固定資産の取得による現預金・有価証券の減少(775百万円減)が主因となっている。
一方、負債は前期末比139百万円減の281百万円となった。主に未払金(46百万円減)、長期前受収益(35百万円減)、長期未払費用(24百万円減)の減少によるものとなっている。また、純資産は利益剰余金の減少(701百万円減)により、同679百万円減の5,160百万円となった。
現状、経営状況は損失が続いているが、これはADLib(R)システムの導出に向けた抗体開発などの先行投資期間として位置付けられる。2015年6月末段階では現預金、有価証券合わせて4,800百万円の水準で、有利子負債もないことから、少なくとも今後2年程度は売上が伸びなかったとしても、事業資金としては確保されていると言える。ただ、2017年12月期以降もADLib(R)システムやリード抗体の導出が進展しなかった場合は、事業継続のため追加の資金調達を行う可能性があることは留意しておく必要があろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
《SF》
提供:フィスコ