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【特集】クリレスHD Research Memo(2):「グループ連邦経営」の成長戦略に舵を切ったことが転機に


■事業概要

(1)事業内容

クリエイト・レストランツ・ホールディングス(以下、同社)は、ショピングセンター内のレストラン及びフードコートの運営を主力とするとともに、M&Aにより獲得した居酒屋業態や飲食店業態も展開している。持株会社として、連結子会社14社(その内、海外4社)と非連結子会社1社、関連会社3社(上海及び大連)を束ねている(2015年8月末現在)。集客力の高い立地へのこだわりとそれぞれの立地環境(地域特性や顧客属性、競合状況等)に見合った業態の組み合わせによるマルチブランド・マルチロケーション戦略に特徴があり、それが同社の主力事業を支えてきた。店舗数は約190業態で761店舗となっている(2015年8月末現在)。

また、最近では、駅前好立地で24時間営業により人気業態となっている海鮮居酒屋「磯丸水産」を展開するSFPダイニング(2013年4月資本提携)や、関西圏を中心にロードサイドで和食レストランチェーン「かごの屋」を展開するKRフードサービス(2015年6月資本提携)など、成長性のある様々な業態を積極的なM&Aにより同社成長に取り込む「グループ連邦経営」※を推進することで高い成長性を実現しており、新たな成長フェーズに入ったものとみられる。
※クリエイト・レストランツ・ホールディングス<3387>が推進しているグループ経営のことで、ホールディングスの「求心力」と各グループ事業会社の「遠心力」のバランスをとりながら成長を促進するものである。

同社の事業カテゴリーは、1)ショッピングセンター内のレストラン及びフードコートを運営する「CRカテゴリー」、2)居酒屋業態を運営する「SFPカテゴリー」、3)様々な飲食店業態を運営する「専門ブランドカテゴリー」、4)シンガポールや香港及び中国等で日本食レストランを運営する「海外カテゴリー」の4つに分類される。

主力のCRカテゴリーが売上高の45.2%を占める一方、SFPカテゴリーが32.3%、専門ブランドカテゴリーが19.3%、海外カテゴリーが3.1%を構成している(2016年2月期上期実績)。

また、立地別店舗数の構成比は、郊外SCが29.7%、都市SCが19.3%、駅前・繁華街が24.8%、ロードサイドが13.1%、百貨店が3.4%、駅ビル7.0%、海外2.8%となっており、従来の商業施設中心から適度に分散が図られてきている(2015年8月末現在)

(2)グループ連邦経営の進捗と業績推移

過去4年間の業績を振り返ると、新規出店及びM&Aによる店舗数の拡大が同社の業績の伸びをけん引してきた。特に、2013年2月期から「グループ連邦経営」による新たな成長戦略に舵を切ったことが転機となった。2012年にルモンデグルメ、2013年にSFPダイニング及びイートウォーク、2014年にはYUNARI及び上海美食中心(R21Cuisineより商号変更)、2015年にはKRフードサービス及びアールシー・ジャパンを相次いでグループ化することで店舗数を拡大するとともに、専門ブランドの拡充や立地の多様性を図ってきた。立地別店舗数の構成比をみると、2012年2月末には商業施設(郊外SCと都市型SCの合計)が78.4%を占めていたが、2015年8月末には商業施設が49.0%に縮小した一方で、駅前・繁華街(24.8%)やロードサイド(13.1%)が新たに追加されており、バランス型の立地ポートフォリオが確立されてきた。また、前期(2015年2月期)は大幅な増収増益により、過去最高の売上高、各利益を更新しており、「グループ連邦経営」による成長戦略はいよいよ軌道に乗ってきたと言える。

2016年2月期上期の業績についても、売上高が前年同期比31.8%増の44,212百万円、経常利益が同31.2%増の3,621百万円と大幅な増収増益となった。同社は、上期決算が計画を上回って好調であったことなどから、2016年2月期の通期業績予想に対して2回目の増額修正を行った。修正後の業績予想として、売上高を前期比47.2%増の102,000百万円、経常利益を同64.2%増の7,200百万円と更なる業容拡大を見込んでいる。なお、2016年2月期上期決算及び通期予想、株主還元等の詳細については前回レポート(10月20日発行)を参照されたい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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