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【特集】クリレスHD Research Memo(1):積極的M&Aで成長性のある業態を取り込み、新たな成長ステージに


クリエイト・レストランツ・ホールディングス<3387>は、ショピングセンター内のレストラン及びフードコートの運営を主力とするとともに、M&Aにより獲得した居酒屋業態や飲食店業態も展開している。集客力の高い立地へのこだわりとそれぞれの立地環境(地域特性や顧客属性、競合状況等)に見合った業態の組み合わせによるマルチブランド・マルチロケーション戦略に特徴があり、それが同社の主力事業を支えてきた。現在の店舗数は約190業態で761店舗となっている(2015年8月末現在)。

また、最近では、駅前好立地で24時間営業により人気業態となっている海鮮居酒屋や、ロードサイドを中心とした和食レストランチェーンなど、積極的なM&Aを通じて成長性のある業態を同社の成長に取り込む「グループ連邦経営」により高い成長性を実現しており、同社は新たな成長フェーズに入ったとみられる。

2016年2月期上期の業績も計画を上回って好調に推移しており、2016年2月期の通期業績予想に対して2回目の増額修正を行った(2016年2月期上期決算の概要については10月20日発行の前回レポートを参照)。

同社は、今期(2016年2月期)を初年度とする中期経営計画(3ヶ年)を推進しているが、足元の業績が計画を上回って推移していることや、M&Aを通じた「グループ連邦経営」が軌道に乗ってきたことから、中期経営計画を増額修正するとともに、4年後の成長イメージである「VISION 2020」を発表した。(1)オーガニックな出店(既存の国内外事業)、(2)国内M&Aの実施、(3)更なる海外展開により、2020年2月期の売上高2,000億円を目標として掲げている。これは、2016年2月期の売上高予想(1,020億円)に対して4年間で約1,000億円の売上増加(倍増)を目指すものであり、年平均成長率では18.3%と高い水準となっている。

弊社では、目標(成長イメージ)達成のハードルは決して低くはないとみているが、好調な海鮮居酒屋業態の出店余地が十分にあることや、M&Aの環境が同社にとって追い風であること、海外事業もノウハウの蓄積や和食人気の後押しが期待できることなどから実現可能と判断している。もちろん、M&Aにおける案件の発掘や買収後のシナジー創出における進捗の遅れや何らかの見込み違いが、目標に対して下振れ要因となる可能性には注意が必要である。また、単なる売上の積み上げとしてではなく、立地の多様性とブランドの専門性の掛け合わせによる戦略の更なる進化やコストシナジーの発現など、同社の「グループ連邦経営」ならではの価値創造の方向性や具体的な成果にも注目していきたい。

■Check Point
・「グループ連邦経営」の成長戦略に舵を切ったことが転機に
・磯丸水産の積極的な新規出店が中長期的な成長を牽引
・立地の多様性とブランドの専門性を掛け合わせ成長機会を生み出す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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