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【特集】明光ネット Research Memo(5):医系大学に特化した予備校事業が好調で増収増益


■決算動向

○予備校事業
東京医進学院による予備校事業の売上高は前期比8.0%増の640百万円、セグメント利益は同26.5%増の73百万円となった。第2四半期までは減収傾向が続いたものの、医系大学に特化した独自の教材及び模試試験の作成や、入試相談会、集中合宿などのイベント開催など合格率向上のための施策に取り組んできたこと、また、医療従事者向けポータルサイト及び専門雑誌での広告宣伝活動に注力したことなどにより、2015年春の新規入会生徒数が増加したことが増収増益要因となった。8月末時点の生徒数は前期末比19名増の153名となり、2009年の子会社化以降で過去最高の水準となっている。

○その他事業
明光ネットワークジャパン<4668>のその他事業の売上高は前期比32.9%増の1,788百万円と急伸したものの、セグメント損失は90百万円(前期は44百万円の損失)と若干損失が拡大する格好となった。各教育サービス事業において、収益モデル確立に向けた先行投資段階であることが要因となっている。ただ、いずれの事業も順調に生徒数が増加しており、収益化に向けた体制は着実に進んでいると言える。

事業別の動向をみると、明光サッカー事業の売上高は140百万円(前期131百万円)、営業損失は10百万円(同20百万円の損失)となった。前期末と比較して直営スクールが1校減の14校となり、FC2校とあわせて16校となったが、8月末の生徒数は前期末比113名増の987名と順調に拡大した。コーチ・スタッフ研修の強化及び運営体制の見直しによる各スクールの指導力向上に取り組んだこと、また体験会や合宿などのイベントを実施し、ブランド力の強化と認知度向上に向けた取り組みを進めたことが、生徒数の増加につながった。

早稲田アカデミー個別進学館事業は、売上高が370百万円(前期258百万円)と順調に拡大したものの、営業損失が32百万円(前期は4百万円の利益)と若干悪化した。前期まで全社共通費用として計上していた運営システム費用を、2015年8月期から事業部門での費用負担としたためで、この要因を除けば増益だったとみられる。8月末の校舎数は直営校8校(前期比4校増)、FC校10校(同3校減)、早稲田アカデミー直営校が10校(同6校増)の合計28校となり、生徒数も前期末比460名増の2,006名と大きく増加した。中学、高校受験において難関校の合格実績数が着実に積み上がってきたことが、生徒数の増加につながっている。なお、FC校が3校減となっているが、これはMAXISの子会社化により、MAXIS運営校を直営分にカウントしたことによる。

キッズ事業は、旺盛な学童保育需要を背景に売上高が124百万円(前期70百万円)と急伸した。2015年春に新たに3スクールを開設し、合計で6スクールとなったことで、生徒数も前期末比124名増の479名に増加した。損益面では、新スクールの初期負担が嵩み損失額が拡大する格好となったが、最初にオープンしたスクールは既に黒字化しており、今後も生徒数の増加に伴い既存スクールの収益化が進むものと考えられる。

また、第2四半期から連結業績に加わった早稲田EDUの日本語学校(1校)は、8月末時点の生徒数が435名となり(定員520名)、売上高は205百万円と堅調に推移している。営業利益はのれん償却費(34百万円)控除後でも若干の黒字となった。なお、日本語学校の入学月は4月、7月、10月、1月の年4回となっており、2016年には定員に達する勢いとなっている。

その他、進学模擬試験や学習塾向け教材の販売、学内予備校事業を展開しているユーデックは、各事業が順調に拡大したことで、売上高810百万円(前期749百万円)、営業利益45百万円(同27百万円)と増収増益となった。その子会社の晃洋書房についても大学書籍の新刊受注及びテキストの採用が堅調に推移したことで、売上高は220百万円(前期217百万円)と微増収となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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