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【特集】GMOアドパートナーズ Research Memo(3):15/12期2Qは増収減益、アドテク領域への人材投資が減益要因に


 

■業績動向

(1) 2015年12月期第2四半期累計の業績概要

7月30日付で発表された2015年12月期第2四半期累計(2015年1月-6月)の連結業績は、売上高が前年同期比23.2%増の14,446百万円、営業利益が同40.5%減の241百万円、経常利益が同30.2%減の269百万円、四半期純利益が同99.2%減の1百万円となった。売上高はリスティング広告などを中心としたエージェンシー事業の拡大により2ケタ増収と好調に推移したが、メディアレップ事業や、自社商材であるJWordの売上が減少したことで売上総利益率が低下し、アドテク領域への人材投資を積極的に行うなかで、人件費を中心とした販管費が増加したことが減益要因となった。また、特別損失として減損損失など85百万円を計上した。

通期計画に対する進捗率で見ると、売上高は55.6%と半分を超え、また、利益ベースではいずれも通期計画を超過するなど、期初計画比では上回って推移した。売上高に関しては主要顧客からの大型受注が3月に入るなど運用型広告を中心に好調に推移したこと、また、利益ベースではアドテク領域における人材投資が当初よりもやや遅れ気味で推移し、関連費用の進捗率が20.9%と低い水準にとどまったことが通期計画を超過した要因の1つとなっている。

なお、2015年12月期のアドテク領域の人材関連投資額は560百万円を計画しており、第2四半期累計までに116百万円を計上している。これら投資費用控除前の営業利益で換算すると営業利益は通期計画の800百万円に対して第2四半期累計では357百万円となり、進捗率は44.7%となる。また、アドテク人材の採用数は通期で102名を予定しており、第2四半期までに47名を採用、達成率は46.1%となっている。GMOアドパートナーズ<4784>では、第3四半期以降採用をさらに強化し、巻き返していく計画だ。

(2)セグメント別動向

○エージェンシー事業
エージェンシー事業の第2四半期累計売上高は前年同期比32.9%増の10,454百万円、営業利益は同1.8%減の317百万円となった。運用型広告を中心としたインターネット広告市場の拡大を背景に、同社の主力顧客における広告売上が伸張したほか、Twitterを始めとするSNS広告も堅調に推移した。営業利益が微減益となったが、これは販売体制の強化に向けた投資を実施したことが要因となっている。

○メディア・アドテク事業
メディア・アドテク事業の第2四半期累計売上高は前年同期比6.9%増の5,059百万円、営業利益は同30.2%減の244百万円となった。売上高はメディアレップのダウントレンドが続いているほか、JWordなどが伸び悩んだが、スマートフォン向けSSPサービスが順調に推移するなどアドテクノロジー分野の商材が伸びたことで増収となった。ただ、前述したJWordの売上低下などの販売構成比の変化に加え、アドテクノロジー分野の人材投資を積極的に進めていることも影響し、営業利益は2ケタ減益となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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