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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~持ち高調整よりも、買戻し需要の方が勝るか


23日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・持ち高調整よりも、買戻し需要の方が勝るか
・ドル・円は120円68銭付近、一時121円に接近
・225銘柄下落は中外薬<4519>、クラレ<3405>、7&I-HD<3382>、宇部興<4208>のみ


■持ち高調整よりも、買戻し需要の方が勝るか

日経平均は大幅に反発。433.97円高の18869.84円(出来高概算10億9000万株)で前場の取引を終えた。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は22日、「12月の政策理事会で、金融政策の緩和の度合いについて再検討する必要がある」との認識を示した。これを受けて欧州市場が全面高となったほか、米国市場ではNYダウが300ドルを超える上昇。この流れが東京市場へも波及する格好となり、日経平均はマドを空けての上昇となった。

その後は戻り高値水準でのこう着をみせていたが、前引けにかけては上げ幅を拡大させてきており、8月末以来の水準を回復している。セクターでは33業種全てが上昇しており、証券、不動産、食料品、保険、ゴム製品、機械、海運、電気機器、その他金融、輸送用機器などの強さが目立つ。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、ファナック<6954>、KDDI<9433>、ソフトバンクグ<9984>、京セラ<6971>、ホンダ<7267>などが強い。東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1600を超えており、全体の8割を占めている。

日経平均は直近のもち合いレンジを明確に上放れ、一目均衡表では雲下限を突破した。週足では雲上限に接近してきており、終値ベースで雲上限が位置する18950円近辺を捉えてくるかが注目される。また、来週は決算発表の第1弾のピークとなる。積極的な売買は手控えられやすいものの、日銀の金融政策決定会合において、追加の金融緩和への思惑が高まっている。中国の政策期待も根強い中、買戻しの流れが強まりやすいだろう。

また、インデックスに絡んだ商いでトレンドが強まりやすく、指数インパクトの大きい値がさの一角には、短期筋の値幅取り狙いの資金なども入りやすいだろう。週末要因から大引けにかけて持ち高調整の流れも意識されるが、買戻し需要の方が勝るとみておきたい。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■ドル・円は120円68銭付近、一時121円に接近

ドル・円は120円68銭付近で推移。前日海外市場で、欧州中央銀行が量的緩和策を今後拡充する方向を示したことでユーロ売り・ドル買いが進み、ドル・円は120円後半まで上昇。この流れを受けた今日午前の東京市場ではドルが一時120円99銭まで値を上げ、9月25日以来、約1カ月ぶりの121円台に迫った。

その後はドル・円の買いが一巡し、足元では120円70銭付近で推移している。日経平均株価は強含みとなったが、ドル買い材料が新たに提供されていないことから、短期筋などのドル買い・円売りは小休止している。

ただ、120円50銭以下には個人や短期筋などのドル買い興味が残されており、ドルは120円60銭付近で下げ渋るとの見方が多い。ランチタイムの日経平均先物は小幅に上昇していることから、ドル・円は午後にやや上昇する可能性があろう。

ユーロ・ドルは1.1072ドルから1.1117ドル、ユーロ・円は133円77銭から134円07銭のレンジ内で推移した。

12時26分時点のドル・円は120円68銭、ユーロ・円は134円16銭、ポンド・円は185円96銭、豪ドル・円は87円49銭で推移している。

(為替・債券アナリスト 吉池威)


■後場のチェック銘柄

・Fリテ<9984>、ファナック<6954>、KDDI<9433>が日経平均を約72円押し上げ
・225銘柄下落は中外薬<4519>、クラレ<3405>、7&I-HD<3382>、宇部興<4208>のみ
・証券大手は投資判断格上げの動きも支援材料


☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
・14:00 8月景気先行指数改定値

<海外>
・特になし

《SY》

 提供:フィスコ

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