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【市況】<株式トピックス>=決算控え大型株に手仕舞い売りの動き

 22日の東京株式市場は売り先行で始まった後、押し目買いに日経平均株価はいったんプラス圏に浮上したものの、後場は再び軟化し下値を探る展開。日経平均株価終値は、前日比118円41銭安の1万8435円87銭と3日ぶりの反落。東証1部の売買代金は1兆9835億と再び2兆円の大台をわずかながら割り込んだ。
 きょう市場で話題となったのは、「業績の上方修正や好調な決算内容を発表した中小型株には、株価面で比較的プラス反応が目立ったが、主力大型株に軟調推移のケースが多かった」(中堅証券投資情報部)というもの。
 例えばIHI<7013>は、21日引け後に16年3月期の連結利益予想を下方修正し、嫌気された。営業利益を従来予想の750億円から500億円(前期比21.0%減)へ、純利益を同390億円から180億円(同98.2%増)へそれぞれ下方修正し、大幅安となった。上期にF-LNG・海洋構造物事業の採算悪化が想定を上回ったことが主な要因という。また、原油安や中国経済の低迷など外部環境の悪化を受けて資源・エネルギー・環境および産業システム・汎用機械事業領域の売上高が当初想定より減少したことも下方修正を加速させたようだ。
 また、住友化学<4005>は、16年3月期第2四半期累計の連結利益予想で営業利益を620億円から740億円(前年同期比2倍)へ、純利益を同380億円から600億円(同2.7倍)へ上方修正したものの、10~12月期はサウジアラビアの関連会社の原油在庫評価損が発生することを懸念して、大幅安となった。
 さらに、富士フイルムホールディングス<4901>にいたっては、きょう付の日本経済新聞で「2015年4~9月期の連結営業利益(米国会計基準)は、前年同期比6%増の760億円程度となったもようだ」と報じられたものの、事前の市場予想で同870億円程度が見込まれていたことに加え、前日の上昇の反動などもあって売り優勢で大幅安となった。
 多くの市場関係者は、中国の景気減速懸念が来週の日本企業の決算発表数値のマイナスとして表面化するリスクを考えるなかで、手仕舞い売り志向を強めているようだ。(冨田康夫)


出所:株経通信(株式会社みんかぶ)

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