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【通貨】欧米為替見通し:原油価格は下げ基調継続か、関連通貨に明暗


今日の海外市場では、資源関連通貨が注目を集めそうだ。回復していた原油価格が再び下を意識した動きを見せていることが背景にある。国内経済への影響から、豪ドルやロシアルーブルなどは弱含む一方、トルコリラやインドルピーは買いが入りやすくなると見る。

10月上旬から回復していた原油価格は100日移動平均線に頭を抑えられ、9月の上値抵抗ラインだった50日移動平均線を再び割り込んでいる。とりわけ今週に入って主要通貨の値動きが乏しいなか、原油価格の下落基調が目立つ。前日の海外市場では原油価格の指標となるウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は44.86ドルまで下げ、10月に入ってからの上昇分を帳消しにした。

原油安の主要因は供給過剰感に拍車がかかっていることだ。報道によると、石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟国8カ国による市場専門家会合は21日、ウィーンのOPEC本部で開催されたが、供給過剰を背景とした原油安対策に向けた協調減産は協議されなかったもよう。原油の供給過剰感が目先も強まると、資源国通貨や新興国通貨は下支えする材料を失うことにつながろう。

米銀のある外為ディーラーは「主要通貨が材料不足のため、今日の取引では弱い動きが目立つ原油価格に注目が集まりそうだ」と指摘している。こうした流れを考慮すると、原油価格に影響を受けるオーストラリアやロシア、ブラジルはネガティブなインパクト。一方、原油安が国内経済の追い風となるインドやトルコにはポジティブなインパクトとなろう。豪ドル、ロシアルーブル、ブラジルレアルの売り、インドルピー、トルコリラの買いを想定する。


【今日の欧米市場の予定】

・17:30 英・9月小売売上高(前月比予想:+0.4%、8月:+0.2%)
・20:45 欧州中央銀行(ECB)が政策金利発表(0.05%で現状維持の予想)
・21:30 ドラギECB総裁が記者会見
・21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:26.5万件、前回:25.5万件)
・21:30 米・9月シカゴ連銀全米活動指数(予想:-0.20、8月:-0.41)
・22:00 米・8月FHFA住宅価格指数(前月比予想:+0.5%、7月:+0.6%)
・23:00 米・9月中古住宅販売件数(予想:539万戸、8月:531万戸)
・23:00 米・9月景気先行指数(前月比予想:0.0%、8月:+0.1%)

《SY》

 提供:フィスコ

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