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2015年10月22日16時04分

【特集】ファーストロジック Research Memo(4):物件掲載サービスと提案サービスで収入の60%を占める


■事業モデルの詳細と成長シナリオ

(1)『楽待』の事業モデル

不動産投資用ポータルサイトの「楽待」の登場人物は投資用不動産の購入希望者である個人と、物件情報を有する不動産会社の二者だ。「楽待」の利用希望者たる個人は、サイト上で無料の会員登録を行うことで利用が可能となる。他方、ファーストロジック<6037>の顧客である不動産会社は、有料で物件情報をサイトに掲載できるほか、同じく有料で、見込客獲得、仕入物件獲得、販売促進等のための効率的なツール・サービスを利用することが可能となっている。基本的に同社の収入は不動産会社から得られる構造となっており、個人会員は基本的に無料でサービスが利用可能となっている(同社は個人会員向けに不動産投資指南のDVD販売を行っていたが、当該事業は2015年7月期で終了した)。

「楽待」からの収益は、サービス内容によって4つに分類できる(個人会員向けのDVD販売は、2015年7月期をもって終了した)。4つのうち「物件掲載サービス」、「提案サービス」及び「広告掲載サービス」の3つを“集客支援ビジネス”と分類し、「査定サービス」は“仕入支援サービス”と分類している。

「物件掲載サービス」は、不動産会社が、掲載物件の数に応じて料金を支払う仕組みとなっている。料金は1件当たり1,000円/月で、10件単位での掲載となっている。このサービスは「楽待」のエントリーサービスという位置付けで、ほとんどの加盟不動産会社が利用しているサービスだ。なお、新規加盟の際に加盟料として5万円が必要となる。

「提案サービス」は、不動産会社が、個人会員の希望に該当する物件の情報を、メールで送付できるサービスだ。個人会員のピックアップとそれに対する提案物件の選択は不動産会社自らが行う。送付先は50人単位で、最初の50人が10万円となっている。この提案サービスは物件掲載サービスと並ぶ大きな収入源となっている。同社の強みは、80%という提案メールに対する反応率の高さだ。約80%の会員から何らかの反応が得られる状況は他社を圧倒しており、これにより加盟不動産会社がこのサービスを利用するモチベーションにつながっている。現状は、加盟不動産会社に占める利用不動産会社の割合が低いため、収入の絶対額では物件掲載サービスと同程度の構成比となっているが、利用割合が高まれば、収益が大きく拡大するポテンシャルを占めている。また、付加サービスであるため利益率が高いのも特徴だ。

「広告掲載サービス」は「楽待」サイトのバナー広告枠(スペース)を加盟不動産会社に販売するものだ。同社は広告代理店等を使わず直販しているため利益率の高い事業となっている。バナー枠の価格は大きさ等に応じて10万円~100万円超と幅があるほか、PV(ページビュー)数によって定期的に料金改定を行っている。加盟不動会社に占める利用割合は数%にとどまっている模様だが、バナー枠自体はすべて埋まっている状況にある。

「査定サービス」は個人会員が保有する不動産を売却する際に不動産会社に無料査定を依頼できるサービスだ。同社がフィーを受け取るのは査定を行った加盟不動産会社からで、物件価格に応じて5,000円~50,000円の料金を得る仕組みだ。不動産会社からみれば査定を行うことで仕入物件の情報を入手できることになる。不動産業界においては売却物件情報1件当たりの取得費用が50万円を超えるとも言われているため、同社に支払う査定サービス利用料は、十分に正当化できるものとなっている。

2015年7月期実績における各サービス別の収入内訳は、物件掲載サービスと提案サービスの2つで全体の約60%を占め、広告サービスが約20%、査定サービスが約15%という状況だった。DVDの販売が約5%あったが、これは2015年7月期でサービスを終了しているため、2016年7月期にはゼロになる見通しだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《HN》

 提供:フィスコ

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