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【特集】ビューティ花壇 Research Memo(5):葬儀業動向に相関性の高い生花祭壇事業


■市場環境

ビューティ花壇<3041>の主力である生花祭壇事業の業績は、全国の葬儀件数や1件当たりの葬儀業売上高との相関性が高い。過去5年間の年間死亡者数、葬儀件数、葬儀業売上高の推移を見ると、年間死亡者数は年平均1.5%と年々緩やかに増加しているなかで、それに連動して葬儀件数は同5.2%増、葬儀業売上高は同4.6%増と市場は拡大している。年間死亡者数が増加傾向にあるのは、高齢者人口が増加していることが背景にあるが、人口構成から判断すると今後も1ケタ台前半の伸びが続くものと考えられる。

しかし、一方で1件当たりの葬儀業売上高は、2010年の1,452千円から2014年の1,418千円へ下落傾向をたどってきた。これは、消費者の意識の変化による葬儀の小規模化(簡素化)に加え、比較的参入障壁が低い業界であるがゆえに、異業種からの参入や、低価格パッケージを売りとしたフランチャイズ・チェーンの出現など、市場競争が激化していることが要因である。したがって、今後、企業体力や経営効率に勝る大手を中心として再編が進展することが予想される。

一方、同社のような生花祭壇業を営む事業者は、地域に密着した中小・零細規模の専業者が多いほか、大手の葬儀関連会社が内製化しているところもみられる。前述した葬儀関連業界における環境変化は、当然ながら生花祭壇事業者へのしわ寄せや交渉力にも影響を与え、業界淘汰が加速される可能性が高い。

また、生花卸売事業の業績に影響を与える生花(切り花)取扱金額と本数の推移については、2011年からおおむね横ばいで推移している。ただ、2013年から2014年にかけては、円安による仕入原価の高騰が販売減を招いたことから取扱本数にやや減少傾向がみられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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