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【特集】【中国の視点】トルコのEU加盟、難民危機で大きく前進へ


トルコの欧州連合(EU)加盟申請をめぐり、EUへの大量難民の流入に伴って大きく前進する可能性が高まっている。トルコのEU加盟交渉は2005年から始まっているが、政治改革やEUとの経済格差などの問題で遅々として進んでいない。

一方、大量の難民流入で処理に困っているEUにとってトルコの協力が大きな助けになっている。これを機にトルコに対するEU側の見方も変え始めていると指摘されている。EUとトルコは先週、トルコのEU加盟の議論を加速させるなどを前向きに検討することで合意した。また、難民問題をめぐり、トルコが要求した30億ユーロの援助金について、ドイツのメルケル首相は「トルコの要求が合理的だ」と発言した。直近数年間で難民問題の解決にトルコ政府が70億ユーロを費やしたことが背景にある。

また、トルコ政府も、国境付近の警備強化などを通じて難民に絡んだ犯罪の取り締り強化など協力的な姿勢を示した。なお、EU難民問題が発生してからトルコはすでに200万人以上のシリア難民を受け入れている。難民問題の解決見通しが立たない中、欧州への玄関口としてトルコが重要な役割を果たしている。

中国の専門家は、EUがトルコを支援しなければ、難民の大量流入が簡単に減速しないと指摘。トルコもこれを機に長年に渡って夢見ていたEU加盟交渉で大きく前進する確率が高いとの見方を示した。また、専門家は、EUへの加盟が実現できれば、トルコの経済発展においてEUに接近できるほか、トルコ国内のテロ組織問題の解決に向けてEUからの援助などが受けられると強調。難民問題で行き詰まったEUにとってトルコを仲間として迎え入れることがひとつの解決策でもあるとの見方を示した。
《ZN》

 提供:フィスコ

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