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【特集】シンワアート Research Memo(5):日本の美術品オークション市場には大きな拡大余地


■業界環境

月刊美術によれば、2014年の日本の美術品オークションの市場規模(年間落札価格)は約142億円と推計される。シンワアートオークション<2437>が公開オークションを開始した1990年からの推移で見ると、2007年にピークとなる約218億円に到達した後、リーマンショックに伴う景気後退の影響により急激に縮小すると、その後も長期間にわたるデフレ経済の環境下で停滞が続いている。一方、世界の美術品オークション市場に目を向けると、約250年の歴史を持つオークション会社のクリスティーズやサザビーズが活躍する欧米市場や、近年著しい伸びを見せる中国市場などを中心に約2~3兆円の市場規模が推定されており、経済活動全般における規模感から言っても、日本市場の立ち遅れは明らかである。また、同社が公表している「近代美術オークションインデックス」※の推移を見ると、過去最低となった2012年2月の平均落札単価は、基準とする1990年9月の1/30以下に落ち込んでおり、特に、高価格帯の近代美術オークションは、デフレ経済の影響を大きく受けていると言える。直近のインデックス(2015年5月)はボトムから回復しているものの、依然として基準の約1/20強の水準にあり、まだまだ回復の余地は大きいと考えられる。
※過去のシンワアートオークション「近代美術オークション」において落札された作品について、1点当たり平均単価の過去3回分の平均を算出し、1990年9月開催の「近代美術オークション」を10,000としてインデックス化したもの。

なお、国内の同業他社は同社以外に6社が存在するが、2,000万円以上の高額落札作品における市場シェアでは、同社が業界トップの44.9%を占めている。また、同社以外に上場会社は存在しない。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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