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2015年10月19日16時02分

【特集】健康CP Research Memo(2):第1四半期における全社損益が黒字化


■RIZAP事業の現況と今後の事業展開

健康コーポレーション<2928>は2020年度に売上高3,000億円、営業利益350億円を目指す「COMMIT2020」に取り組んでいる。その最大のけん引役と期待されているのは、パーソナルトレーニングジムのRIZAP事業だ。RIZAPの実態と将来の発展可能性を当レポートで改めて整理したい。

(1) 2016年3月期第1四半期決算に見る足元の状況

8月12日に発表された2016年3月期第1四半期決算のポイントは2つだったと弊社では認識している。すなわち、1)第1四半期においてRIZAP事業が属する「美容・健康関連セグメント」が黒字化したこと(全社ベースでも黒字化した)と、2)懸念された一部マスコミによるネガティブ報道の影響が業績にはまったく影響が出なかったことだ。

同社は、広告宣伝費を第1四半期と第2四半期に大きく投下して、順次売上高の伸びで回収していくというモデルだ。したがって、過去、第1四半期は広告宣伝費負担の重さが勝って営業損失を計上するパターンが続いてきた。しかし今四半期は、前年同期比646百万円増の2,780百万円の広告宣伝費を投下したが、想定以上に回収が進み、営業黒字を達成した。同社の広告費の60%はRIZAP、20%は通販にそれぞれ投下されているとみられる(数字はいずれも弊社推定)が、その両事業からなる「美容・健康関連セグメント」が黒字転換したことの意味は非常に大きいと弊社では考えている。

同社によれば、ネガティブ記事の一時的な影響はゼロではなかったようだ。記事が発表された直後は問い合わせ数の低下などがあったが、既存会員(ゲスト)からの紹介増加によって完全に吸収できた。それは月間利用者数、月商の推移を見れば明白だ。また、同社は「30日間全額返金保証制度」を充実させたが、それに伴う返金率の上昇は、導入直後に一時的に上昇した局面があったものの、現在では通常の水準(3%~4%)に戻っている。総括すれば、個々の経営指標の上では影響がみられたものの、他の要素で完全に吸収し、企業業績への影響はなかったということだ。

RIZAPについてのネガティブ記事は、結果的にはRIZAPの知名度向上をもたらした。のみならず、前述したようにゲストの紹介による入会者数の急増という副次効果ももたらした。このルートの会員については、1人当たりの会員獲得コストが、広告に誘引されてくる新規会員に比べて5分の1程度と極めて低い。同社自身、こうした広告費に頼らない会員獲得のメリットをこれまで以上に強く意識し始めているようだ。後述する医療機関連携の動きも、「脱・広告宣伝費」の一環として理解する方が納得しやすい。

2016年3月期第1四半期が終了し、第2四半期の足元の状況について取材した後の弊社の印象は、今期がRIZAP事業の事業モデルの大きな転機になる可能性があるということだ。具体的には、「脱・広告宣伝費」の動きが加速するだろうということがまず挙げられる。RIZAPの新事業展開や外部との事業提携、海外展開などいずれもが、会員獲得コストの低下という文脈で語られている。言うまでもなく、脱・広告宣伝費の動きはRIZAP事業の収益性改善に大きく貢献すると期待される。もう1つは、特に外部との事業提携を通じて、RIZAPがパーソナルトレーニングジムという枠を超えて、別の新たなサービスへと進化するかもしれないということだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《RT》

 提供:フィスコ

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