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【市況】為替週間見通し:ドル・円はもみあいか、中国GDPや米企業業績などを見極める展開


■ドル弱含み、米年内利上げ観測後退で一時118円07銭まで下げる

先週のドル・円は弱含み。一時118円07銭までドル安・円高に振れる場面があった。
14日発表された9月米小売売上高、9月生産者物価指数、8月企業在庫は市場予想を下回った。また、同日公表された米地区連銀経済報告は、ドル高やエネルギー価格の低下が製造業活動を弱めていると指摘しており、ドル高を促す利上げは難しいとの見方が広がったことがドル売りを促した。

しかしながら、15日発表の9月米消費者物価指数が予想を上振れたことや前週分新規失業保険申請件数が予想を下回ったことでドルを買い戻す動きが広がり、ドル・円は119円67銭まで戻し、119円46銭でこの週の取引を終えた。取引レンジは118円07銭-120円30銭。

■ドル・円はもみあいか、中国GDPや米企業業績などを見極める展開

今週のドル・円はもみあいか。19日に中国の7-9月期国内総生産(GDP)が発表される。中国経済の成長鈍化は織り込み済みだが、予想を下回った場合はアジア、欧米の株安を招く可能性があるため、リスク回避のドル売りが強まる見込み。

また、米企業業績(7-9月期)に対する市場の関心も高いようだ。金融セクターは比較的好業績を示しているが、足元では消費の弱さが意識されており、市場関係者は小売などの消費関連のセクターを注目している。大手企業の業績が市場予想を下回った場合、早期利上げの思惑は後退し、ドル売りがやや強まる可能性がある。業績が総じて好調ならば、早期利上げへの思惑が再び広がり、ドルに対する支援材料となりそうだ。

なお、経済指標では米住宅関連指標の発表も予定されている。直近の住宅市況がまずまず順調であれば、ドル相場を下支えする一因となりそうだ。

【住宅関連指標】(20日、22日)
9月住宅着工件数(20日)は年率換算で前回112.6万件から114.2万件への増加、前月比では、-3.0%から+1.4%への改善が予想される。また、中古住宅販売件数(22日)は年率換算で前回531万件から536万件の増加、前月比では-4.8%から+0.9%と大幅改善となる見通し。予想通りならば、ドル買い材料となりそうだ。

予想レンジ:118円00銭-121円00銭

《FA》

 提供:フィスコ

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