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【通貨】欧米為替見通し:日銀緩和への懐疑的な思惑が円買いを誘発か


今日の海外市場では、夕方に実施された黒田日銀総裁のコメントへの失望感から緩和期待がやや剥落すると見られる。本日の東京株式市場では不動産やその他金融、倉庫など金融緩和メリットセクターがそろって買われる展開となったが、為替市場と株式市場では月末の会合に向けてのコンセンサスはやや異なっているもよう。

日銀が今月30日の金融政策決定会合で追加の金融緩和に踏み切るとの期待感が高まっているなか、黒田東彦総裁は今日午後に全国信組大会のあいさつで「消費者物価の基調は着実に改善している」と述べた。これまで通りの強気コメントを受けて、東京為替市場では追加措置に向けた手がかりに乏しいと見られ、ドル・円は30銭程度下げた。

ドル・円はその後119円台に戻すなど瞬間的な動きに留まったものの、一部市場関係者は10月30日の緩和見通しについて、懐疑的な見方を示したうえで、「日銀が追加措置に踏み切らなかったことをきっかけに投資家の失望のドル売りが強まる」と指摘している。

実際、オプション市場では1カ月物のドル・プット(売る権利)の需要がドル・コール(買う権利)を上回るなど、ドル安・円高に備える動きが観測されている。今日の海外市場では、黒田日銀総裁の変わらぬ強気姿勢に「本当に日銀は追加緩和をしない気か?」といった懐疑的な思惑が円買いを誘発する可能性がある。


【今日の欧米市場の予定】

・18:00 ユーロ圏・8月貿易収支(予想:+200億ユーロ、7月:+314億ユーロ)
・18:00 ユーロ圏・9月消費者物価指数改定値(前年比予想:-0.1%)
・22:15 米・9月鉱工業生産(前月比:-0.2%、8月:-0.4%)
・22:15 米・9月設備稼働率(予想:77.3%、8月:77.6%)
・23:00 米・10月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値(予想:89.0、9月:87.2)
・23:00 米・8月JOLT求人件数(予想:558万件、7月:575.3万件)
・05:00 米・8月対米証券投資・長期有価証券(株式スワップ等除く)(7月:+77億ドル)
・欧州首脳会議(最終日)

《SY》

 提供:フィスコ

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